板橋区赤塚にある、板橋区立郷土資料館を見学してきました。
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板橋区立郷土資料館は、区内で出土した土器、古文書、民俗資料、古民家などを収蔵、展示した施設で、板橋区の歴史を学ぶことができます。
一階には板橋区の自然、歴史、文化について展示物を並べた常設展示室があり、二階では第16回板橋区伝統工芸展「人とモノ」として根付や着物など民芸品が展示されていました。
その他、夏休み時期ということもあり二階では子供たちがまが玉作り体験をやってました。
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おや?
資料館の前に、緑色の土管みたいものが展示されている。
ふと気になったので近付いて調べてみます。
これはもしかして・・・・・
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やっぱりカノン砲だ!
説明板には「短六拾斤銅砲」と刻銘とされた船用短施条加農(カノン)砲、とある。
通常カノン砲は、もっとも長大な物が城塞砲、その次に大きい物が攻城砲、短い物が艦砲、野戦においては軽便な砲、山地では最小の砲が用いられたという。
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こちらは12ポンド施条加農砲。
施条とは砲身内に刻まれたライフリングのことであり、施条砲はそれまでの滑腔砲と違い弾丸に回転力を加えて発射される。
1800年ころのヨーロッパではすでに施条砲が開発されていたらしい。
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これはカルロンナーデという船用の砲。
着弾すると弾丸が炸裂する炸裂砲です。
カノン砲よりも軽量であったため、海軍に重宝されたという。
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一階、常設展示室入り口にも砲が展示されています。
モルチール砲という小型の砲です。
モルチール砲は弾丸が直線上に飛んでいくカノン砲と違い、山なりの放射状に飛んでいく臼砲。
こんなに小さくても重量は250kgあります。
これら各種砲は幕末、戊辰戦争のころに使用されたもののようです。
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館の奥には旧田中家住宅という古民家が展示されている広場があります。
広場入り口の左側の自転車置き場みたいな所には、明治期に使用されたという消防ポンプ車が展示されていました。
そう言われてよく見ると、確かにホースのようなものが車の側面にまとめられていました。
けっこう文化的な価値がありそうなのに、その辺にある荷車のように大雑把に置かれている。
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その消防車の足下には、なんの脈絡もなく無造作に鯨の顎の骨が置かれていました。
鵜原理想郷で見たものと同じ形なので、確かに鯨の骨なのだろうがなんでこんなところに放置されているのだろう。
骨の上に申しわけなさげに「鯨の骨」とテプラが貼られているが他になんの説明もない。
鯨の骨です。
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奥には旧田中住宅の古民家と納屋があります。
旧田中家住宅は 板橋区有形文化財に登録されています。
手前の巨大な樽は漬物をつけていた樽だそうで、4000本以上の大根が入る漬け物樽。
そんなに食うのか漬け物。
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旧田中家住宅の居間。
奥には蚊帳が吊ってあります。
右側には今の家にはあまり見られなくなった神棚もありました。
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旧田中家住宅の炊事場。
雑然とした感じが生活感をかもし出していて良い。
これを狙って、わざと雑然としているんでしょうか。
昔の炊事場は基本土足だったんですね。
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民家の横にある古井戸。
20年くらい前にヒットした「リング」を始め、井戸はよく怖い話の舞台になっていますね。
洞窟やトンネルと同じで、暗くて中がよく見えず吸い込まれるような怖さがそうさせるのでしょうか。
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中を覗いてみると、塞がっていました。
井戸には水神さまや井戸神さまが棲んでいて、お祓いをすることなく井戸を塞ぐと祟りが起こる、なんていう話もありますね。
もっともこの井戸は移設されてきたものでしょうが。
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郷土資料館近くには板橋区立の美術館もあります。
この日はイタリア・ボローニャ国際絵本原画展をやっていました。
この絵本展は1967年より各地の美術館を巡回しながら毎年開催されているようで、今年は第48回目とのこと。
相方は子供の頃にも行ったことがあるそうで、とても懐かしがっていました。

東京大仏、城址公園、釣り堀、郷土資料館、美術館など見所がまとまっている赤塚城址。
休日等に家族を連れて散策されてはいかがでしょうか。
(訪問月2014年7月)