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埼玉県所沢市の所沢航空記念公園内にある、所沢航空発祥記念館を歩いてきました。
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いつも渋滞しているような気がする国道463号沿いにある所沢航空記念公園。
この公園がある敷地にはかつて、日本で最初に造られた飛行場がありました。
1911年に開設されたという、日本陸軍所沢飛行場です。
所沢飛行場は太平洋戦争の敗戦によって米軍に接収され、米軍所沢通信基地になりましたが、1971年にその敷地の約6割が米軍から返還され、1978年に所沢航空記念公園として開園しました。
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所沢航空記念公園の中には、航空発祥記念館という展示施設があります。
多数の航空機やヘリコプターの実機が展示されている施設です。
その中に、1931年に開発された日本陸軍の九一式戦闘機の実機があるというので見にいってきました。
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記念館の中に入ると、早速ハングライダーみたいなものがエントランス・ロビーの天井から吊り下げられていました。
これは1910年(明治43年)、日本で最初に制作されたという航空機「会式1号機」のレプリカです。
昔の人はパラシュートもない中、こんなもので空を飛ぼうとしていたんですね。
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航空機の展示室に入る前にお昼ごはんでも食べようということになって、近くにあったカフェを見ると、面白いのぼり旗を見つけました。
ご当地バーガー、所沢産里芋使用のコロッケを使ったとこロッケバーガーというものがあるようです。

なんでもいいですが、普通は検索フォームには検索しやすいよう、入力しやすい言葉を入れさせるもんじゃありませんかね、「TCBうんめぇ~隊」。
わざわざローマ字と平仮名と漢字の混合文で、さらにわざわざ「ぇ」という入力しにくい言葉を入れていて、超検索しにくそうですが。
突っ込みどころの多いのぼり旗ですが、そのへんが気に入り、とこロッケバーガーを食べてみたくなりました。
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そんなわけで注文しました、とこロッケバーガー。
包装紙のキャラクターがかわいい。
そういえばTCBってとこロッケバーガーの略なんですね。
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食べてみると、やや硬めのパンとシャリシャリした歯ごたえの里芋コロッケがおいしい。
やや小さめの、ヘルシーなハンバーガーです。
単品で380円とやや割高ですが、地元密着のB級グルメには頑張ってほしいです。
頑張れNPO法人所沢里芋本舗!
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お腹も膨れたのでいよいよ航空機展示館に入ります。
入館料は消費増税のあおりを受けたのか中途半端な510円。
ゲートをくぐると多数の航空機やヘリコプターが展示されています。
館内にはパイロットの制服も用意されていて、それを着て飛行機と記念写真を撮ることもできます。
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ヘリコプターは中にはいることも可能です。
こちらは1959年に陸上自衛隊が研究用にアメリカのパイアセッキ社から輸入した大型輸送ヘリコプター「バートルV-44」の内部。
太平洋戦争まで零戦を代表に多くの航空機を作っていた日本ですが、敗戦とともにGHQによって航空機の開発を禁止させられてしまい、その後しばらくは運用する航空機を輸入とライセンス生産に頼ることになります。
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戦後初の国産航空機は、1965年に運用開始されたYS-11。
YSは輸入と設計のローマ字の頭文字をとったものであるという。
航空公園駅前に展示されています。
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展示された航空機を見ながらぶらぶらしていると・・・・・・
おお、ありました!
これです、日本陸軍九一式戦闘機。
1931年に開発された単葉の戦闘機であり、日本陸軍初のライセンス生産でない日本オリジナル戦闘機です。
満州事変などに参戦したようですが、期間が短かったこともあり交戦記録はありません。
しかし中島飛行機が作ったこの戦闘機が、太平洋戦争で活躍することになる隼や疾風に重大な影響を与えたことは疑いない。
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重要航空遺産であり、近代化産業遺産であるこの機体。
敗戦によってGHQに国内のほとんどの航空機が破壊されたため、現存するものはここにある一機のみ。
翼やプロペラが取り外された分解機ですが、当時の姿をとどめています。
満州事変という、私たちにとっては遥かな昔に空を飛んでいた戦闘機が目の前にあることに感動しました。
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九一式戦闘機の他、所沢航空発祥記念館にはフライトシミュレーターやスペースウォーカーなどの遊べる施設も多数用意されています。
二階のフライトシミュレーターでは、エントランスに展示してあった初の国産航空機「会式1号機」にて、100年前の所沢飛行場を飛ぶことができます。
日本の航空産業の発展を、遊びながら学べる所沢航空発祥記念館。
航空公園と合わせ、休日などに訪れてみてはいかがでしょうか。
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こちらは二階展示パネルにあった、日本の航空の基礎を確立させた人物、日本陸軍中将長岡外史の肖像。
プロペラ髭と呼ばれた髭がすさまじくかっこいい。
すれ違ったら、かまいたちのように肩を切り裂かれてしまいそうだ。
(訪問月2014年10月)