今回は毛長川の名前の由来になったという「毛長沼」伝説をとりあげます。
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毛長川は、東京都足立区と埼玉県川口市、草加市の都県境に流れる利根川水系綾瀬川支流の一級河川です。
東京でもっとも治安がよくないと言われる足立区と、治安面で「埼玉三悪」などと密かに陰口をたたかれている川口市、草加市連合(残りは越谷)の間を流れています。
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そんな毛長川ですが、この川にはとある伝説があります。
この伝説には色んなバリエーションがありますが、簡単に言うと「昔、髪の長い女がこの川で入水自殺し、夜な夜な長い黒髪が川を流れてくる」というものです。
上の写真は足立区の日暮里・舎人ライナー舎人駅近くの歩道で見つけたプレートですが、これを見れば毛長伝説のだいたいの概要がわかっていただけると思います。
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二人の若人の結婚から物語は始まります。
男性は足立区側の舎人村の長者の息子であり、女性は草加市側の新里村長者の娘だったそうです。
女性はかなりの美女だったと伝えられています。
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とまあ、こんな感じの伝説です。
なんとなくわかっていただけたでしょうか。
さっぱりわからん
という方もいらっしゃるかもしれませんので、念のため草加市のホームページを貼っておきますね。
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このプレートがあるのは足立区古千谷本町の足立古千谷郵便局の近くの歩道上です。
日暮里舎人ライナーの舎人駅から郵便局方向へまっすぐ歩いていくと、郵便局を過ぎたあたりで発見できます。
写真右に見えるベルクスが目標物です。
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プレートから北東へ歩いていくと、いずれ件の毛長川にぶつかります。
毛長沼の今の姿がこの毛長川であるという。
毛長川はゆったりした流れの川で、お世辞にもきれいとは言えない川です。
一昔前と違い自転車などが捨てられているということはありませんが、それでも底がまったく見えないほど水質は悪いです。
黒ではありませんが深緑色の川なので、仮に黒い髪が流れていてもヘドロと混じっていてわからないでしょう。
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ちなみに毛長川沿いの道はひったくりロードなどとも言われ、事実かどうかはわかりませんがひったくりが頻発する場所らしいです。
毛長川は都県境にあり、例えば東京で犯罪を犯してもすぐ埼玉に逃げられるからです。
毛長川沿いにはひったくり注意のこの看板があちこちに建てかけられています。
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川沿いに東へ歩いていくと、やがて毛長川を渡す毛長橋に到着しました。
この毛長橋を埼玉県方向に渡ります。
橋を渡るとまだ少しの区間だけ足立区古千谷本町ですが、そこを過ぎると地名が埼玉県草加市新里に変わります。
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対岸でも「橋を渡ってもまだ東京だよ!」と主張するかのようにこの看板が点在しています。
しかし橋を渡ってしまうと警視庁竹の塚警察署の警戒力も弱まるのか、「注意しまよう」になってしまっていますね。
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さらに北に歩くと、ついに埼玉県に入りました。
「埼玉」と書かれた境界石があちらこちらに埋まっています。
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埼玉に入っても毛長橋通りをそのまま北に歩いていきます。
毛長橋通りは実に埼玉らしい、歩道がなく狭い路側帯だけという歩行者に優しくない道路です。
シャッター商店街+人通りなしという寂しい毛長橋通りの端っこを歩いていきます。
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牛乳屋の先にあるこの交差点を左に曲がります。
狭い路地も含めると六差路の、複雑な交差点です。
しかしそんな交差点でも信号がないのが埼玉県。
信号機って高いんですよ。
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交差点を左折し、住宅地の間を通る路地を歩いていくと、終端に公園付きの神社があります。
こちらは神社の裏口なので、公園内を通って正面に回り込んでいきます。
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この公園は真ん中に神社の社があり、それを取り囲むように公園の遊具が設置されています。
神社の境内に公園がある、といったところでしょうか。
そして公園の周りを埼玉らしく古い工場が取り囲んでいます。
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ここは毛長神社という、毛長沼伝説と関係のある神社です。
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毛長神社の創建は不詳ですが、この神社の御神体は「女の長い髪」です。
伝承によれば、この神社は新里村の長者の屋敷跡で、祀られている御神体の髪は長者の娘のものだと言われています。
そう、つまりこの毛長神社は、伝説にある毛長沼に入水自殺した女の髪の毛を祀る神社なのです。
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毛長神社の本社前には定例の手水舎があります。
しかし、もっとましなものが作れなかったのでしょうか。
これではちょっと寂しいですね。
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本社の扉は閂がかかっていて開きませんが、ここから覗いてみろと言わんばかりにちょっとだけ隙間が空いています。
隙間の上にある白いプレートには「賽銭」と書かれています。
ここから社の中にお賽銭をぶん投げろということでしょうか。
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賽銭箱にお賽銭もいれたのでちょっと失礼して中を覗かせていただきます。
中はこんな感じになっていました。
奥の朱色の宮の中に、毛長沼を流れてきたという女の髪の毛が奉納されているのでしょうか。
残念ながらここからではよくわからず、御神体をこの目で見ることはできませんでした。
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毛長神社のように「女の長い髪」を祀る神社は、全国的にも非常に珍しいらしいです。
そのような稀な神社があるあたり、毛長沼伝説もまったくの作り話ではないことがわかります。
今の毛長川では女の長い髪の毛を見つけることはできませんが、伝説ではかつてこの川を大量の黒髪が流れていたという。
夜中にこの川沿いを散策してみれば、意外な発見もあるかもしれません。
伝説に興味のある方は、毛長神社と毛長川沿いの道を歩いてみてはいかがでしょうか。
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ちなみに毛長川沿いの遊歩道を歩くなら、東京都側をオススメします。
こちらは足立区側の毛長川遊歩道「武蔵野の路」ですが…
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埼玉県草加市側はこんな感じです。
(訪問月2015年4月)