〔すでに解体されています〕
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一年の終わりというこの時期は、なんとなく物悲しい気分になりますね。
長いようで短かった今年一年も終わってしまいます。
今年最後の更新となります今回は、新潟県西蒲原郡弥彦村にある廃墟、旧やひこ観光ホテルを紹介します。
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平成27年10月31日、あまり前例がないと思われる、行政主体による廃墟見学ツアーが行われました。
それは、弥彦村主催による弥彦駅前の廃墟、旧やひこ観光ホテルの見学ツアーです。
残念ながら私は行けなかったのですが、その少し後に弥彦村を訪れる機会がありました。
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現在地はJR東日本弥彦駅の駅前ロータリーです。
弥彦村といえば越後国一の宮である彌彦神社が有名で、弥彦駅も彌彦神社の最寄り駅らしい、彌彦神社本殿を模した木造入母屋造の駅舎です。
天候があまりよくなかったとはいえ、「歓迎」の文字が明るい雰囲気なのですが。
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そこから振り返ると、背後には重苦しい雰囲気の廃墟があります。
ここは1967年に建てられ、1999年頃に廃業したという「やひこ観光ホテル」です。
鉄筋コンクリート造7階、地下1階建て。
1972年には昭和天皇が弥彦神社を参拝した際に宿泊したという由緒あるホテルです。
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やひこ観光ホテル正面はすべてバリケードで囲まれ、中には侵入できないようになっています。
バリケードの隙間から写真を一枚撮りました。
このバリケードと駅前という立地上、廃墟探索好きの人でも侵入は難しいでしょう。
しかしこれだけの封鎖がされているということは、過去に侵入者が多かったということですね。
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バリケードだけでなく、1階の侵入口もすべて戸板で厳重に封鎖されています。
ビリビリに破れたブルーシートが、ここが廃墟になってからの長い年月を感じさせてくれます。
ぼっろぼろですね。
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やひこ観光ホテル、2階より上部分。
ところどころに、窓がぶち破られたような痕跡があります。
なお、弥彦駅前で客待ちをしているタクシーの運転手によると、三階の窓に幽霊の姿が多数目撃されているんだとか。
そのため、このやひこ観光ホテルは新潟でも有名な心霊スポットになっています。
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やひこ観光ホテルの裏手に回ってみます。
上階の窓ではピンク色のカーテンが風雨にさらされてはためいています。
あれはいつから、ああなっているのでしょうか。
あの窓を閉める人は、もういない。
夜中にあんな風にカーテンがはためいていたら、そりゃなにかいるかもしれないと思うのかも。
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もう一枚、ホテル裏手の別の角度から写真を撮りました。
右はともかく、左の建物は塗装がはげ、いかにも廃墟らしい雰囲気を醸し出しています。
やひこ観光ホテルは10年以上前に廃墟化し、放置されていましたが、平成27年8月に弥彦村が弥彦駅前の景観を損ねるとして土地と建物を400万円で取得。
駅前物件としては破格の値段ですが、取り壊しにかかる費用は1億7000万円とみられており、すぐに取り壊す予定はないとのこと。
10月の廃墟見学ツアーの反響次第では、今後も見学ツアーを実施する予定もあるそうです。
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まったく内部を見ることのできない厳重に封鎖されたやひこ観光ホテルですが、一部に中を覗ける場所がありました。
ここはもともとスナックかなにかだったのでしょうか?
内部は10年以上放置され、その間侵入者によるいたずらなどもあったためお化け屋敷のような惨状になっているそうです。
もし今後、定期的に廃墟見学ツアーが開催されるのであれば、見学に行ってみたいと思います。
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10数年前まで、廃墟見学ツアーを行政がやるなど考えられなかったことです。
昔は廃墟=肝試しの場所くらいの認知レベルで、廃墟好きなんてキワモノ扱いでしたから。
しかし2000年代半ば頃からでしょうか、廃墟ブームが起こり、サブカル本として廃墟の本が本屋に細々と並びはじめてから、今年は廃墟の王様軍艦島が世界遺産になるなど、少しずつ廃墟の見学というものが一般的になりつつあります。
ですが、もし廃墟が見学オッケーの一般的なものとなり、さらに安全性を考えて補修されたり人の手が加えられたときは、もはやそれは廃墟ではなく、単なる観光名所に過ぎません。
このやひこ観光ホテルは、取り壊されるのかツアーが組まれるのかはわかりませんが、いずれにしても、廃墟としては終焉を迎えようとしています。
(訪問月2015年11月)