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杉並区和泉にある商店街、杉並和泉明店街を訪問してきました。
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現在地は京王線代田橋の駅北口から100メートルほど北に歩き、甲州街道に出た位置です。
代田橋の駅前には活気があるとは言い難い小さな商店街があるのですが、そこを通り抜け、この甲州街道を渡す歩道橋を渡った先に「沖縄タウン」と呼ばれる沖縄をテーマにしたお店が集まる商店街があるという。
数年前に沖縄旅行に行ってからというもの、沖縄が好きになった私としては、帝都の沖縄とは果たしてどのような所なのかという興味があったので行ってみました。
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甲州街道を渡り歩道橋を降りて右を見ると、先にアーチが見えます。
おおっ、なんか沖縄っぽい色づかいのアーチですね。
件の沖縄タウンの入り口であるとひと目でわかります。
帝都東京の沖縄タウンとは、いったいどんなところなのでしょうか。
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わくわくしながらアーチをくぐると…
あれっ?
単なる裏路地ではないか。
休日の昼間だというのに、人通りがまったくない路地。
加えて、建物と建物の距離が近いので、道に陽の光が当たらず表通りに比べてどんよりした雰囲気です。
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こんな暗い雰囲気が沖縄のはずはない。
場所を間違えたかなと思って振り返ると、路地の入り口にはさっきのアーチが。
「和泉明店街・沖縄タウン」ああ、ここだ。
やっぱりここで間違いはなさそうです。
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先に進んでいけばいずれ沖縄らしくなるに違いない。
そう思いながら路地を進んでいくと、その先は両脇に商店が立ち並ぶ商店街になっていました。
しかし、店舗の数軒はやっていたものの、ほとんどのお店がシャッターを下ろしています。
荒涼とした雰囲気はまさにシャッター商店街。
ですが、商店街の中央には大きく掲げられた「沖縄タウン」の横断幕が揺れています。
やっぱりここが沖縄タウンで間違いなさそうですが、沖縄を名乗るにはあまりに寂しすぎなんじゃないでしょうか。
左のシャッターが降りているお店は「首里製麺」という沖縄そばの店のようですが、休日の昼というのにやってないようでした。
大丈夫でしょうか、帝都版沖縄タウン。
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とりあえず、開いている店で腹ごしらえでもしようということになって、シャッター商店街の中でも沖縄料理が食べれそうなここに入ってみることにしました。
その名も「めんそーれ大都市場」。
那覇にある第一牧志公設市場みたいなものでしょうか。
以前の沖縄旅行で行った、活気ある市場を思い出しちょっと心が踊ります。
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めんそーれ大都市場は入り口にシーサーがおり、また市場内には数軒の沖縄料理店が入っていて、ちょっと沖縄らしい雰囲気がありました。
この大都市場の存在が、杉並和泉明店街を沖縄タウンたらしめているという。
しかし入口から市場内を覗いた感じ、活気というものは見られず、人もいないようでした。
一見して、入っていいものかどうか迷う市場です。
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思わず入るのを躊躇い、横から大都市場を観察。
正面からではわからないが、横から見るとバラック市場であることがわかります。
二階部分とかけっこうやばい感じですな。
っていうか、本当にやっているんでしょうかこれ?
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大都市場の入口付近にあった宣伝の垂れ幕。
大都市場内にあるお店のようですが、主張したいことが多すぎて、何が言いたいのかよくわからない表示になってしまっています。
しかも沖縄とまったく関係なさそうだし。
しかしそれでもまあ、大都市場内には一応営業している店があるようです。
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とりあえず市場内に足を踏み入れました。
狭い通路があって、その両側にシャッターの降りたお店が立ち並んでいます。
まるで営業時間外に行ってしまったやっちゃ場のような雰囲気でした。
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シャッター市場の中で、たくさん看板を出しているラーメン屋がありました。
ここは、さっき外に「助けてください!」の垂れ幕を出していたお店のようですね。
「世界の龍ちゃんよしき坊」という、知る人ぞ知る担々麺の名店らしいです。
「暴力的にウマイ担々麺」というフレーズがなんだか面白い。
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このお店の店主は一風変わった方だそうで、それはこの張り紙を見る限りなんとなくわかります。
ここよりうまい担々麺があったら店主が土下座してくれるとのこと。
そんなにウマイ担々麺なのか、と担々麺好きな私も興味がありましたが、今日は赤ちゃん連れなのでラーメンはパスします。
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おおっ、これは!
大都市場の中に沖縄のご当地ヒーロー、琉神マブヤーのガチャガチャがありました。
こんなのがあるといかにも沖縄らしくてうれしくなりますが、市場の中に一台だけぽつんと置いてあると、これで売れるのかと心配になってしまいます。
帝都では珍しいガチャガチャなんだし、シャッター市場の中より路上に出したほうがいいと思うんですが。
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今回は大都市場の一番奥まった場所にあったこのお店に入ることにしました。
沖縄料理と古酒の店「てぃんさぐぬ花」。
決めた理由は、唯一営業中の沖縄らしい雰囲気のお店だったので。
まあ、昼間の時間帯に営業していたのがさっきのラーメン屋とここしかなかったんですが。
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ここでいただいたのがランチメニューの「ぷちぷち海ぶどう丼セット」。
大盛り無料のご飯の上に沖縄直送の鮮魚の漬けと山かけ、玉子とたっぷりの海ぶどうがのっています。
これは、久高島で食べた海ぶどう丼に負けず劣らず美味しかったです!
これで980円とは、沖縄タウンの名に恥じぬ沖縄っぷりですね。
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なお、てぃんさぐぬ花の二階は琉球畳式の座敷になっており、赤ちゃん連れには有り難かったです。
近場であれば何度も通いたいお店だというのが感想です。
大都市場の奥深い場所にあり、穴場的な料理屋と思われます。
ずっと店内に同じ歌が繰り返しBGMとして流されているのはどうかと思いましたが。
何度も聞いたので『それでーもー私はーう~みが好きー、彼女は笑った~』という歌のフレーズを覚えてしまった。
どんだけ海で嫌なことあったんですか。

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大都市場の北側出口を出て、東に進むと沖縄タウンの事務所がありました。
軒先にパンフレットとかが置かれているので、この事務所はもともと沖縄タウンの案内所みたいなところだったのだと思われます。
しかしながら事務所は誰もいないし、室内には乱雑に物が詰め込まれていて入れそうな様子もありません。
その様子からは、ここ沖縄タウンがもう商店「街」としてはほとんど機能していないのだということがわかります。
事務所の軒に付いている青い丸の看板の中にいるのは、沖縄タウンのイメージキャラクター、ニライちゃんとカナイくんですが…
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そのニライちゃんとカナイくんが描かれた旗が沖縄タウン内街路灯の各所についているのですが、旗は風雨にさらされて腐食してしまったのか、どの旗も下部がちぎれてしまっているままになっていました。
沖縄タウンはもともと寂れた消えゆく昭和の商店街だったところを、町興しのために『沖縄っぽい商店街』を目指して改装された商店街であり、本来沖縄とはなんの関係もありません。
その歴史は意外と古く、寂れた商店街からこのような形態になってからもう10年近く経過しているそうです。
約10年前、起死回生のために沖縄タウン化した杉並和泉明店街ですが、結局長続きはしなかったんだなということが、この旗や事務所を見てわかります。
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誰もいない沖縄タウン事務所からさらに東へ歩いたところに、ソニーショップテトラ商会という、これまた今はもう営業していなさそうな電気店を見つけました。
沖縄とはまったく関係なさそうですが、ここも一応沖縄タウンの一角だったようです。
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そのテトラ商会の裏側。
もはやアートと言っても差し支えないような、鉄の要塞になっていました。
な、なんだろうこれは?
複雑かつあまり意味がなさそうな感じに組まれた鉄パイプが、沖縄タウンを守る砦のように見えました。
上の方にいっぱい付いているアンテナとか、まるでレーダーのようです。
なにから沖縄タウンを守っているのでしょうか。
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鉄の要塞から先は沖縄タウン外で、道の両側にはびっしりとバラック建築の住宅が立ち並び、昭和の雰囲気が色濃く残る住宅街が続いています。
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そのバラック建築群の先には車がたくさん行き交う環状七号線があり、沿線は高層マンションやビルが立ち並んでいます。
さきほどのバラック建築を見た後、ここを見ると、ものすごい時代のギャップを感じます。
そのコントラストを見ながら、杉並和泉明店街の沖縄タウン化は、時代の流れに取り残されまいとする要塞化のようなものだったのだなと思いました。
しかしながら時の流れの海によって、その要塞は腐食し始めているというのが、今回の沖縄タウンを訪問しての感想です。
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とまあ、いろいろ書いてしまいましたが、沖縄タウン内でもっともいいと思ったのが、この和泉明店街直営店の「いじゅん」。
ちんすこうやゴーヤ豚まん、ブルーシールアイスや紅芋タルト、琉球ガラスなど沖縄特産のおみやげが売っているお店です。
小さなお店ゆえそれほどたくさんの物が売っているわけではありませんが、帰りがけにここで沖縄のおみやげを買っていけば沖縄旅行に行ってきた気分になれること請け合いです。
新宿から二駅という好立地にある沖縄タウン、杉並和泉明店街。
一度訪れてみてはいかがでしょうか。
(訪問月2016年2月)