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埼玉県川口市にある公営オートレース場、川口オートレースを歩いてきました。
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川口市の旧鳩ヶ谷市域近くを流れる小さな川、旧芝川沿いにある川口オートレース。
まるでコロッセウムのような外観の建物で、一見してギャンブル場には見えません。
ですが川口オートレースは、埼玉県川口市営のギャンブル施設であり、日本に5場あるオートレース場の中で売り上げ、入場者数ともに一位のオートレース場です。
川口市の本領であった鋳物産業が衰退傾向にある中で、市の有力な財源となっていると思われます。
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今日はここ川口オートレースでレースがある日で、非常に賑わっていました。
広大な駐車場、バイク置き場、駐輪場はかなり埋まっている状態。
競馬に比べるとマイナーなギャンブルであると思っていたオートレースですが、なかなか盛況のようです。
なお川口オートレースは入場だけなら無料です。
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正門ゲートから入り、場内を歩きます。
場内は静かな住宅街の川口市青木町の中にあって、突如大きなターミナル駅に迷い込んだかのような人の海になっていました。
そのほとんどが、地味な服装の中~高年男性。
競馬は最近若い女性の人口も増えているなどと聞いていましたが、オートレースはそんなこともないようです。
基本男の世界ですね。
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また、高年層の男性と言っても、もはや年金生活層と思われる腰の曲がった爺様も多いようです。
社会の模範となるべき高齢者が昼間からワンカップ開けながらギャンブルというのもどうなんだろうなと思いますが、お金を使ってもらえば日本経済は回るのでタンスにしまわれるよりはありかもしれませんね。
加えて、人間はお金はあっても生きがいがなければ生きられないので、老後、ここで生きがいを見つける方もおられるのでしょう。
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場内にはたくさんの屋台的な食事処が並んでいます。
こちらはそのひとつ、食事処「もりのや」。
名物は手打ちうどんのようですが、それを食べている人はほとんどいませんでした。
レースが近いせいか勝負師のおじさんたちは、手前の露天で焼きそばやおでんなどすぐに食べられるものばかりを購入していました。
確かに物事に集中しているときは、飯とかどうでもよくなりますよね。
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勝負師たちに紛れて屋台飯を買ってみました。
焼きそばひとつ150円。
激安です。タイムセール中と書いてありましたが、滞在中ずっとタイムセール中だった気がします。
焼きそばはちょっぴり小さいですが、それでもお祭りとかなら300円はとられるレベルです。
連れてきた娘は「おいし!」と言って食べていました。
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おでん二品で100円。
さつまあげの下にちくわが隠れています。
大根とかはんぺんとか、いろんなおでんの具が露店の鍋から皿の上に陸揚げされてくるので、自分が食べたい具が皿に盛られた瞬間にさっと皿を取らねばなりません。
もたもたしていると気付いたときには他のおじさんに取られています。
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こちらもオート名物だという牛もつ煮、120円。
120円でこの大きさのモツはなかなか食べられないと思います。
激安なのはここが市営オートレース場だからでしょうか。
屋台料理が食べたくなったら、祭りに行くよりここに来た方がずっと経済的ですね。
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と、のそのそとオートレース場の飯を食べていると、唐突にそれまで露店近くにいた溢れんばかりのおじさんたちが引き潮のようにいなくなってしまいました。
あとに残されたのは、私達家族とおじさんたちが食べ落とした食べ物をつついている鳩だけ。
あまりの変わりっぷりに、なんだか取り残されたような寂しさを覚えてしまう。
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人がいなくなった理由は当然、オートレースが始まったからです。
遅まきながらスタンドにやってくると、すでにスタートは切られていて、爆音を轟かしながら数台のバイクが走ってくるのが見えます。
スロットルを開ける音のあまりの大きさに、抱っこしていた第二子・茶坊主(0歳赤ちゃん)がびくっとしていました。
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川口オートのコースは一周500メートルのオーバル。
オートレースは、要するに楕円形状のコースをみんなでグルグル回り、一番早くゴールしたものの勝ちです。
勝負所はテクニックの差が出るコーナリング。
時速150キロのオートバイが集団で弾丸のように突っ込んできて、コーナーでまくったりまくられたりする様は圧巻です。
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うまく写真が撮れなかったので日本観光振興協会のページから写真を引用しました。
ライダーは左足を地面に這わせる極端なリーンアウト走行です。
高速旋回はリーンインやハングオンが有効と思われますが、オートレースではむしろこうしたリーンアウト走行が主流のようです。
こういう走り方でなくては勝てないので、みんなこういう走り方をしているんだとか。
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唐突に、背後から物凄い歓声…というより怒声があがりました。
振り返ると、背後のスタンドで勝負師のおじさんたちが柵に張り付き、レーサーに向かって熱い声援を送っています。
当然ながら投票券を買っているのでしょう、スポーツとかの応援とは気合いが違う迫真の応援です。
まさに勝負の世界、場内は物凄い熱気に包まれています。
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なおオートレースで使用されるオートバイは「競争車」と呼ばれ、市販の車両とは少し違う形状をしたバイクです。
こちらは「オートミュージアム」という、川口オートレース場場内に所在する歴代川口オートレースの優勝車両が展示されているミュージアムですが…
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展示されている優勝車両。
おわかりでしょうか、左ハンドルが妙に高い位置にある不思議な形状になっています。
おそらくコーナリング時、ハンドルをいっぱいに切っても手の位置が平行になり、オートバイが操作しやすくなるためにこうなっているのだろうと思われます。
ハンドルをこのような形にする決まりはありませんが、こうしないと負けてしまうため競争車のハンドルはみなこうした形状になっているそうです。
右に曲がることを想定していない、まさにオートレース専用車両です。
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ムンムンの熱気と爆音にあてられながらもなんとか1レースを観戦し終え、場外に戻ってくると、早速予想屋らしき人が波のように戻ってきた勝負師たちに、次のレースについて自らの予想を披露していました。
一段高い位置に座ってお言葉を述べるその姿は、なんかの教祖のように見えなくもありません。
ひょっとしたら予想が外れたことに文句を言われているのかもしれませんが。
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レース後、大部屋に整然と座り、真剣な顔をして前を見つめる高齢者の方々。
こうして横から見ると、何かの講習を受けに来ている真面目な高齢者たちに見えなくもありません。
しかしその視線の先にあるディスプレイに映っているのは、次のレースのオッズですが。
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オートレース場を見学しながら散歩していると、やがてその北端にたどり着きました。
そこには勝負師の世界には似つかわしくない、ちびっ子ランドなるミニ公園があります。
子連れでオートレース場にやってきたお父さんが、子供を遊ばせておくための場所でしょうか。
申し訳程度の遊具が設置されてあります。
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ちびっ子ランド遊具のひとつ、キリンのブランコ。
遊んでいたのは小学生くらいの子供で、近くにはお母さんと赤ちゃんがいました。
お父さんは今勝負に集中している最中でしょうか。
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ロケットと滑り台を組み合わせた遊具。
遊んでいる子供たちがいて、ちびっ子ランドはお父さんに連れられてきたお母さんや子供の憩いの場になっているようでした。
レース以外にもいろいろと見所のある川口オートレース場。
一般の人は年に一度川口オートレース場で開催されるたたら祭り以外にあまり訪れる機会がないと思いますが、行ってみると意外な発見があるかもしれません。
(訪問月2016年4月)