今回の記事は、虫が苦手な人は閲覧注意です。
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文京区千駄木にある、虫の詩人の館〔ファーブル昆虫館〕を子供たちとともに訪ねてきました。
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谷根千で知られる千駄木の北部に位置する虫の詩人の館。
当展示施設は、駒込警察署動坂交番がある動坂上の交差点から東へ150mほど進んだ町中に建っています。
虫の詩人の館〔ファーブル昆虫館〕はNPO日本アンリ・ファーブル会が運営する昆虫標本等の展示施設であり、館内は無料で見学することができます。
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アンリ・ファーブルは、昆虫の研究で知られ、「ファーブル昆虫記」の本の作者として有名なフランスの博物学者です。
私も子供の頃ファーブル昆虫記は読んだことがありますが、しかし内容をさっぱり憶えてません。
どんな話でしたっけか。
ファーブル昆虫記という名前のくせに、昆虫以外の虫も多数出てきたような憶えがあります。
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ファーブル昆虫館は一階と地下一階が見学可能で、一階には様々な昆虫の標本展示、地下一階には企画展示がされています。
昆虫に興味をもつ小さな子供にとっては、非常に興味深く、かつ勉強になる施設ではないでしょうか。
ちなみに訪問客は、小さな男の子を連れたお母さんが多かったです。
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なお標本は当然ながら、虫の死骸であります。
したがってファーブル昆虫館は、虫がダメな人にはとことんダメな施設と思われます。
お母さんの中には、虫嫌いだけど、子供に連れられやむなく来たという方もいるだろう。
本当にご苦労様です。
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この標本など、苦手な人には怖気が走るような標本だろう。
長さ20cmはあろうかというオオムカデの標本です。
文京区では公園とかでしか見ない毒虫ですが、多摩地区では普通に家の中に入ってきて、いつの間にかこっそり布団の中にいたりします。
起きたときにこいつが顔の辺りを這い回っていたりしたら、しばらくは布団で眠れないだろう。
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展示の標本は日本の虫だけではありません。
こちらはサソリの標本です。
色的にダイオウサソリ若しくはチャグロサソリの標本と思われます。
死体とはいえ、毒を持つサソリを間近で見れる機会はそうはありません。
ちなみに大ムカデもサソリも六本足ではないため、昆虫ではありません。
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コントローラーで画面を操作できる昆虫のデータベースもありました。
ゲーム感覚で操作できて子供も興味津々、勉強もできて一石二鳥ですね。
真剣に端末を操作する娘のあやちゃんです。
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地下一階には、アンリ・ファーブルがかつて住んでいた部屋を復元した部屋があります。
裕福な生まれではなかったファーブルは、この小さな一部屋に両親と弟と4人で住んでいたという。
プライバシーも何もあったもんじゃありませんなこれは。
ファーブル先生は現代でいうところの、いわゆるオタク、虫オタクであったと思われますが、オタクもここまで突き詰めて研究できれば立派なものです。
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ファーブルの部屋の外周は狭いコの字型の通路になっており、通路には昆虫標本や企画展示物等が展示されています。
通路奥には机と、虫に関する本や子供のおもちゃなどもあり、ここでちょっと遊んだり勉強していくこともできそうです。
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机の横のコルクボードには質問コーナーなどもありました。
ここを訪れた子供たちが、様々な質問票を貼っています。
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ゾウカブトより大きいカブトムシはいるかという質問に、いますという答えまで書いてくれた親切な質問票。
答えまで書いちゃった子供の姿を想像し、なんだか微笑ましくて少し笑ってしまいました。
それに対する回答は、 「大きさ」をなにで決めるかによって違うというもの。
確かに「大きさ」とは曖昧な概念ですね。
大きさが最長を指すなら、答えはヘラクレスオオカブトでしょうか。
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質問コーナーの横には、絶対に近づいてはいけないもの、スズメバチの巣も展示されていました。
人間をアナフィラキシーショックで死に至らしめる毒をもつスズメバチ。
その巣には絶対に近づいてはいけないが、もっとも危険なオオスズメバチの巣は土の中に作られるという。
スズメバチを発見したら、巣が近くにあることも念頭において、慎重に行動しなければなりませんね。
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こちらは本日の標本キモムシベストワン。
その名も「サカダチコノハナナフシ」、マレー半島の森林にいるという昆虫です。
我々日本人はナナフシというと木の枝のような貧弱な印象しかありませんが、この虫はむしろナナフシよりコノハムシの仲間で、しかし進化の過程で身体を平たくできずむしろ太くなり、世界一重たい昆虫になってしまった虫です。
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ちなみに太平洋戦争にて、戦線を拡大しすぎて兵站に苦しんでいた南方の日本軍は、食糧事情が非常に悪く、その辺の虫でさえ口に入れて飢えをしのぐ状況でした。
太くて身のありそうなサカダチコノハナナフシが食べられていたかはわかりませんが、少なくとも上に出てきたオオムカデは食べていたそうで、油っこい味だったと当時のニューギニア戦線の兵士が語っています。
そうして手まめに何でも口に入れていた人は生き残り、それができなかった人は餓死する運命が待っていたという。
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気味が悪くて触れない、という人も多い虫。
しかし、虫について正しく知っていれば、人間に害をなす虫はごく一部に過ぎないことがすぐわかります。
それがわかっていれば、虫に対する潜在的な恐怖心はなくなり、触ることができるようになるかもしれません。
虫について学べる当施設ですが、虫嫌いな人にこそ訪れてほしい施設です。
虫が忌み嫌われるような生物でないこと、ファーブル先生に教えてもらいましょう。
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虫について実物に触れながら楽しく学べる虫の詩人の館〔ファーブル昆虫館〕。
最後に、施設をでる前、昆虫館の前に置かれていた「蟲塚」が目に留まりました。
こうした昆虫の研究のために、多くの虫が犠牲になったこともまた、忘れてはならないことです。
虫も我々と同じ命であり、むやみやたらに虫を殺すようなことをしないよう、見学を通じて子供に教えたいと思います。
(訪問月2016年6月)