DSCF1073
静岡県賀茂郡東伊豆町にあるテーマパーク、熱川バナナワニ園を歩いてきました。
CIMG0906
北米大陸にあるメキシコの南には、南米大陸があり、南米といえばアマゾンの熱帯雨林。
同じように、静岡のメキシコと勝手に位置付けた伊豆シャボテン公園の南にも、静岡のアマゾン的な施設があるという。
その場所の名前は「熱川バナナワニ園」。
静岡のアマゾンとは、はたしてどのようなところなのかと思い、訪問してきました。
DSCF1096
伊豆急行線伊豆熱川駅を降りて、目の前にある熱川バナナワニ園。
温泉地、熱川のど真ん中にあって、熱帯生物のワニや熱帯植物を擁する熱帯的テーマパークです。
熱川バナナワニ園は伊豆熱川駅から徒歩1分もかからないし、中は温室続きなので、雨の日でもあまり濡れることはありません。
公共交通機関を利用しての旅で、雨天時の行楽先として有用なテーマパークです。
DSCF1040
熱川バナナワニ園は、植物園である本園、色々な種類のワニが飼育されているワニ園、レッサーパンダなどがいる分園の3つの施設で構成されています。
伊豆シャボテン公園と同じ、動物と植物を展示するテーマパークですが、伊豆シャボテン公園が動物メインなのに対し、こちらは植物メインで、加えてメキシコではなくアマゾンのため、やや大人向けの施設といえるでしょう。
DSCF1046
まずは本園・植物園から行ってみます。
本園・植物園は8つの温室からなっており、入り口にある熱帯花木温室から、シダ温室、ホヤ温室、プロメリア温室、洋ラン温室、観葉植物温室、熱帯スイレン温室、原種ラン・オオオニバス温室の8温室を順に見学していく形式になっています。
CIMG0870
また温室の他に、年齢50歳以上になるというアマゾンマナティーの展示室もあります。
このアマゾンマナティーは1968年にアマゾン川上流で捕獲され、ここ熱川バナナワニ園にやってきたという。
アマゾンマナティーの飼育例は世界的にも珍しく、日本では唯一熱川バナナワニ園でしか見られないという。
さすが静岡のアマゾンといったところでしょうか。
DSCF1054
植物園は奥へ進めば進むほど緑の密度が濃くなっていき、だんだんとアマゾン度が上がっていく構造になっています。
こちらは観葉植物温室で、プロメリア温室からエレベーターと階段にて小山を登った高台の上にあります。
アマゾン熱帯雨林に行ったことはありませんが、この温室はまるでアマゾンのようにもっさもさです。
CIMG0901
ところで、ここまで熱川バナナワニ園の名称にある「バナナ」は一向に登場しません。
ちなみに管理人は、バナナといえば南米エクアドル産を買うと決めています。
エクアドル産はフィリピン産に比べ日本における流通量は少ないですが、南米の恵まれた土壌と赤道直下の年中照りつける太陽の力によって、バナナの甘味が大きく引き出されており、オススメです。
いわゆる「ツウ」な人はエクアドル産を買うのだと、誰かが言っておりました。
DSCF1057
観葉植物温室の次は熱帯性スイレン温室です。
ここはじわりと汗が滲んでくるほど、蒸し暑い場所になっています。
温室内には美しいスイレンの花の浮かんだ人工池がずらりと並んでおり、その様はなんとも幻想的で、行ったことはないけれどますますアマゾンチックであります。
CIMG0884
熱帯性スイレン、ニンフェア・ギガンテア。
ニューギニアに咲くスイレンの花です。
ニューギニアもアマゾンと同じく熱帯雨林なので、つまりアマゾンと言っても差し支えない。
ちなみにニューギニアといえば太平洋戦争期、日本軍が熱帯雨林のジャングルに苦しめられた場所で、連合国軍との戦闘の苛烈さと相俟って、派兵された兵士の生還率の低さから「ジャワの極楽、ビルマの地獄、死んでも帰れぬニューギニア」と恐れられた、死の島であったと知られています。
DSCF1061
また熱帯スイレン温室の側壁には、オオタニワタリという、人の名前みたいな植物が壁にへばりつくようにして栽培されています。
オオタニワタリは以前、沖縄のガンガラーの谷で見た、葉の表面に根っこがついており、落ちてきた葉っぱの養分を吸い取って生きる植物です。
やあオオタニワタリさん、沖縄旅行以来ですね。
DSCF1062
植物園のラストはオオオニバスが浮かぶ人工池がある温室です。
オオオニバスはアマゾン川原産のスイレン科の水生植物で、成長すると直径3メートルにもなる巨大な葉を水面に浮かべています。
オオオニバスの葉は人間が乗っても沈まないほどの浮力を有しているという。
ううむ、まさにアマゾンですね。
オオオニバスの葉に乗ってみたいけど、うっかり沈んでピラニアとかに食われる未来が想像できるのでやめておきます。
DSCF1082
植物園のアマゾンを満喫したので、続いてワニ園に向かいます。
本園・ワニ園は本園・植物園から道路を挟んだ向かい側にあります。
DSCF1071
ちなみにワニ園もドーム状になっている天井があるため、雨でも濡れることはほとんどありません。
しかし微妙にドームで覆われていない箇所もあり、雨が吹き込んでくるところもあります。
ドームに覆われているからといって油断してはいけません。
DSCF1070
園内では人工池や水槽、檻等で飼育されている様々な種のワニを見学できます。
熱川バナナワニ園のワニは大別してアリゲーター科とクロコダイル科のワニがおり、体長8メートルにもなる大型のイリエワニから小型のクチヒロカイマンの赤ちゃんまで、世界中のワニが展示されています。
DSCF1076
こちらはアマゾン川流域に生息するアリゲーター科のワニ、クチヒロカイマン。
なぜか水槽の隅に、身を寄せ合うようにして集まっています。
アリゲーター科のワニはクロコダイル科のワニに比べて大人しく臆病であるという。
隠れるところもない水槽の中では、こうして隅っこにカイマンが集まってしまうのでしょうか。
CIMG0910
こちらはクロコダイル科のワニ、シャムワニ。
タイやインドシナ半島、インドネシア等に分布するワニです。
クロコダイル科のワニはアリゲーター科のワニに比べ巨大かつ獰猛で、種によっては人を捕食することもあります。
アリゲーター科とクロコダイル科のワニの見分け方は、クロコダイル科のワニは口の形が尖っていることと、下あごの前から四番目の牙が、口を閉じた際に口からはみ出ることです。
確かによく見ると、そんな感じになっています。
CIMG0917
なおワニ園訪問中、ほぼすべてのワニが微動だにすることはありませんでした。
そういう意味では、動物が動き回る静岡のメキシコに比べ、あまり子供は楽しめないかもしれません。
しかし個人的には、この動きのない静の環境こそが、実に大自然的でアマゾンらしくてよいと思いました。
DSCF1095
最後に、熱川バナナワニ園の分園を紹介します。
分園はワニ園前から出ている無料送迎マイクロバスに乗り、所要2、3分ほどのところにあります。 
DSCF1093
分園には本園に収まりきれなかった植物園があるほか、ワニの放流池があったり、ニシレッサーパンダ、フラメンゴ、ゾウガメなどが飼育されています。
ちなみにニシレッサーパンダは、日本で飼育されている唯一の例なのだそうです。
本園にいたアマゾンマナティーも日本唯一の飼育だというし、熱川バナナワニ園、実は意外とすごいところなのかも。
DSCF1092
ミシシッピーワニが放流されているという放流池。
水底にじわりと見えるワニの影が、実にアマゾンらしい。
アマゾン川ではこんな風に、川の底から常にワニが獲物を狙っているのでしょうか。
おちおち散歩もできませんね。
DSCF1087
分園の植物園は果樹園が主になっています。
スターアップルやバンレイシなど、南国の果物の樹が栽培されています。
パラオ旅行の際、果樹園で食べたフルーツを思い出しました。あれはとても甘くておいしかったな…
本園の植物園がスイレンや洋ランなど幻想的美しさを持つ植物主体であったのに対し、こちらは食べ物系主体のようです。
DSCF1085
果樹園の中にはバナナ園もありました。
熱川バナナワニ園の目玉として、ワニと双璧をなすバナナがなるバナナ園は、なんと分園にありました。
ちなみにバナナがなっているバナナツリーは、実は木ではなく草扱いなのだという。
バナナの茎は切っても年輪がないため、木の仲間には入れてもらえないんだとか。
CIMG0926
バナナツリーになる、青々としたフイリバナナ。
ちなみに太平洋戦争において、ニューギニアの日本軍がもっとも苦しんだのは、同地での食糧事情でした。
熱帯と聞くとこのようにバナナなどの果物の宝庫であるように感じますが、実際の現地では、果物などほとんどなかったという。
豊沃な土壌も、所詮人間が手を加えないかぎり不毛の世界であり、何万もの将兵を現地で養えるだけの食糧はなく、兵站が絶望的だった日本軍は多数の餓死者を出す結果となってしまう。
CIMG0928
同じく果樹園で栽培されていたパパイヤの実。
果樹園を歩いていると、この実を黙々と収穫している職員のおじさんがいました。
果樹園の果物はそんなに数があるわけではありませんが、どこかに卸しているんでしょうか?
もしかして自分たちで食べる用?
DSCF1090
その答えは、分園の最後にあるフルーツパーラーにあります。
フルーツパーラーでは、果樹園で見てきたフルーツを食べることができるのです。
フルーツパーラーは名前がまんま「フルーツパーラー」で、昭和の匂い漂うフルーツパーラーです。
CIMG0934
バナナやマンゴーなどのフルーツが、とても甘くておいしい。
バナナはバナナ園で収穫したバナナでしょうか。
フルーツパーラーは熱川バナナワニ園の最後の締めくくりとして、平日にもかかわらず多くのお客さんで賑わっていました。
CIMG0911
ちなみにフルーツパーラーは、熱川バナナワニ園に入らずとも、フルーツパーラー利用であることを受付に告げればフルーツパーラー利用許可証を貰って裏から入れるらしいです。
コストパフォーマンスはとてもよいので、フルーツパーラーのみの利用もありだと思います。
アマゾンの植物や世界のワニを見学しながら、南国の甘いフルーツも食せる静岡のアマゾン、熱川バナナワニ園。
その静寂の中に、大自然の力を感じることができる観光地です。
(訪問月2016年5月)