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高崎白衣大観音を見学した後、同じ観音山にある洞窟観音を見学してきました。
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白衣観音が観音山の表の顔ならば、洞窟観音は裏の顔。
白衣観音は森から頭を出してアピールしていますが、洞窟観音はひっそりと洞窟に引きこもっています。
洞窟観音は、当時のお金で200億円というお金を持っていた高崎の呉服商、山田徳蔵が全資産と約50年の歳月をかけて掘り抜いた洞窟と36体の観音像でできています。
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白衣観音のある慈眼院から高崎自然歩道を東に進んでいきます。
所要時間は徒歩15分くらい。
洞窟観音まであと徒歩3分という看板から、7、8分は歩くのでちょっと遠く感じました。
木々の間から照らされる陽光がとても気持ちいい、静かな自然歩道です。
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やがて左手に見えてくる、洞窟観音入り口。 
どちらかというとこちらは裏口で、車で来る場合にはバスが走っている観音山線から直接、洞窟観音駐車場に乗り入れできる表口があります。
群馬コミュニティバス観音山線にも洞窟観音前バス停があります。
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洞窟観音入り口。
入洞料は800円ですが、白衣大観音のすぐ前に洞窟観音割引券が置いてあって、持ってくれば一割引きになります。
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冷気が洞窟の奥から吹き抜ける洞窟観音洞内。寒い。
真ん中に長い通路があって、その左右に複数小部屋があり(照明のおいてある所)、その小部屋ひとつひとつに観音様の石像が鎮座している構造になっています。
洞窟の長さは全部で約400メートルとのことです。
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小部屋を覗くとこんな感じになっています。
観音様の周りの石は溶岩石だそうで、浅間山から持ってきたものだそうです。
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こちらは竜頭観音。
竜の変化身で慈しみの観音という説明書きがありました。
ドラゴンの石像がちょっとかっこいい。
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こちらは威徳観音。なんだかよくわからないが管理職の助っ人らしい。ずいぶん現代的な観音様だ。
最後に「。」もついていないけれど、書き忘れかな?
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最初は物珍しく観音様をひとつひとつ見ていくのですが、同じような光景が続いておりだんだん早足になってしまいます。
しかし通路を進んでいくと、途中で通路が左に曲がっていくところがあって、その辺りから雰囲気が変わっていきます。
コンクリートの坑道が素彫りの洞窟になり、今までは小さかった通路横の小部屋も急にダイナミックになります。
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コンクリートの坑道が素彫り洞窟に変わるあたりにある滝観音。
これはなんとも立派なモニュメント。こちらが本領発揮というところでしょうか。
奥に大きな滝を模して削った岩があり、これは20メートルも高さがあるらしい。
観音様の石像も7体あるのが見えます。
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滝観音の隣の、階段のある大きな洞窟。ライトアップされて美しい。
洞窟観音は若くして財を成しえた山田徳蔵氏が、お金を一人で所持することをよしとせず、みんなが楽しめる安らぎの霊場を作ろうと一念発起して造りました。
工事はすべてツルハシだけで行われたそうです。
作業員を雇って複数で掘り進めましたが、雪などで人が来れないときは山田徳蔵氏と奥さんの二人で掘り進めたんだとか。
奥さんよく付き合ってくれましたね。
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念という字は、今に心と書きます。
洞窟観音を見て回ると、まさにその一瞬一瞬に心を砕いてこの洞窟を作った山田徳蔵氏の念を感じることができるようで、なんとも感慨深いです。
一念岩をも通すという言葉がぴったりですね。
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その山田徳蔵氏の顕彰碑。
2月の大雪の影響のためか、倒木によって無残に破壊されておりました。
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洞窟観音の拝観券で、近くにある徳明園と山徳記念館にも入れます。
徳明園は洞窟観音と平行して作られた庭園で、秋にくると紅葉が美しいそうです。
徳明園中央の山田徳蔵邸の縁側に腰掛けて一息つけます。
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山田徳蔵邸の下にはかつての防空壕があります。崩壊の危険があるとかで途中までしか入れません。
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山田徳蔵邸横の山徳記念館では、洞窟観音産のはちみつが売っています。
名前にひかれてついつい買ってしまいました。
1200円のものと1000円のもの二つ種類があったのですが、1000円のこちらのほうがおいしいと言われたのでこちらを購入しました。 
市販の、砂糖や水あめの入ったはちみつとは一味違った、さらりとした甘さが天然の味という感じでした。 
(訪問日2014‎年‎5‎月‎10‎日)