もうすぐ、夏も終わりですね…
夏の終わりはいつも、なんだかもの悲しくなります。
子供のころの、夏休みが終わってしまう感じ、そして宿題に追われた日々が思い出されるからでしょうか。
さて、今回は足立区鹿浜にある区立公園、都市農業公園を娘のあやちゃんと一緒に歩いてきました。
都市農業公園は、荒川のスーパー堤防上に位置する足立区立の広大な公園です。
環七通りの鹿浜橋から、北の埼玉県方向へ500mほど堤防上を歩いた辺りにあります。
荒川の向こうには、「埼玉のマンハッタン」などと呼ばれる川口市の摩天楼が見えますね。
公園内にはこんな感じに畑が広がっていて、中に自由に散歩できる遊歩道があります。
入園料は無料で、散歩しながら職員さんが畑を耕しているのを見学することができます。
時期が時期だけに、公園内はセミの鳴き声が響きわたり、トンボが飛び交っていました。
また園内には、畑だけでなくいくつかの展示施設もあります。
こちらは「人と自然の共生館」。
インタープリター(自然解説員)が常駐しており、動植物の展示解説やプチクラフト体験などのイベントを行っています。
子供の知育によさそうですね。
本日はハーブの香り体験や食虫植物の展示がされていました。
館内にはテーブルが並んでおり、自然に関する本が本棚に並んでいます。
イベント時間中であれば、このテーブルでプチクラフトが体験できるのでしょうか。
残念ながら今は時間外のため、イベントは特にやっていないようでした。
「かいこ!」
壁際の棚にカイコの幼虫が展示されていました。
小学生のころ、夏休みの自由研究でカイコの観察をやったことが思い出されます。
幼虫のころはともかく、蛾になった蚕はちょっと気持ち悪かったかな…
「かめ!(クサガメ)」
「なす!」「すいか!」
少しずつ言葉を話せるようになってきたあやちゃん。
モノを指差し固有名詞を言うのがマイブームのようです。
ちなみにこれは、野菜とその花の写真を一致させるクイズ形式のパネルです。
「バナナ(の葉)!」
こちらは巨大な熱帯植物が栽培されている人と自然の共生館付属の熱帯温室。
あやちゃんが指さしているのはつい最近、熱川バナナワニ園で見たバナナがなるバナナツリー。
ちなみにバナナツリーの茎は、実際には何枚も葉っぱが積み重なった偽茎であり、バナナツリーは木ではなく草です。
熱帯温室の隣には、特別展示として食虫植物が展示されていました。
ウツボカズラやハエトリグサなど、代表的な食虫植物が展示されています。
食虫植物には蚊など羽虫を誘引する機能があるのか、室内は虫が飛び交っていて辟易しました。
人と自然の共生館を出て、今度は正面にある田んぼの間を通る農道を歩いていきます。
都会っ子のあやちゃんは、これまで田んぼや畑というものを本でしか知りませんでした。
彼女が毎日食べている米が、どこでどのように作られているか考える日はいつでしょうか。
農道の先には「旧和井田家住宅」という古民家がありました。
江戸時代後期の古民家で、寄棟造り茅葺の屋根が特徴的な建物です。
この古民家は、昭和59年に都市農業公園の開園に伴い足立区の花畑から移築されたものとのこと。
また和井田家住宅の隣には、長屋門も展示されています。
旧和井田家住宅は足立区有形民俗文化財に指定されているという。
土間にも入れるようで、中に入ってみたかったのですが、あやちゃんが暗い土間に入ろうとするといきなり泣いて怒り出したので、やむを得ず土間の見学を断念しました。
暗い所は怖いんでしょうか。
「たまねぎ!」
仕方がないので住宅の前に干されていたタマネギをポンポン。
タマネギの皮を剥こうとするあやちゃんです。
なおこの旧和井田家住宅の真裏を流れる川、新芝川は埼玉県領になっており、和井田家は都県境に建っています。
新芝川沿いの遊歩道を歩いていくと、都市農業公園交流館に到着しました。
館内には季節ごとの園内の写真やイベント情報、特別企画などが展示されています。
毎月第四日曜日に朝市も開催されているという都市農業公園。
我々が訪れたのは夕刻ですが、交流館では都市農業公園産のししとうやトウガラシ、ミニトマトなどが販売されていました。
まあその辺が売れるのはわかるんですが、「としのう(都市農業公園の略)オリジナルポストカード」というのは、いったいどういう客層を狙って販売しているんでしょうか。
ちなみにポストカードは一枚50円です。
娘を連れて園内を歩き回っていると、あっという間に閉園時間である夕方になってしまいました。
まだ帰りたくないのか、広場で駄々をこねるあやちゃんです。
やはり夏の夕暮れは、子供のころ遅くまで友達と遊んだ記憶が蘇ってきて、もの悲しい気分になりますな。
もう楽しかった夏も終わりですね。
グーグルで足立区と検索すると関連キーワードで「治安」と真っ先に出てしまうほど、足立区というと治安が悪いというイメージがあります。
しかしながら、元々の足立区は農業耕作地の多い、牧歌的な町です。
太平洋戦争においても、農地の多かった足立区は空襲の対象になることは少なかったそうな。
元来の足立を感じることができる都市農業公園、休日にお子様などといかがでしょうか。
(訪問月2016年7月)
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