沖縄県名護市二見にある廃墟、レキオリゾート周辺を歩いてきました。
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帝都を歩く今年最後の記事です。この一年、いかがでしたでしょうか。
私は仕事と子育てに追われ、自分にとって激動の一年でした。
来年はもう少し心穏やかに生きたいですが、残念ながら今年より忙しくなりそうです。

さて、今回は多忙な時期が過ぎた後に、廃墟となってしまった物件の紹介です。
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現在地は名護市二見地区の大浦湾沿岸にある地域交流施設、わんさか大浦パークです。
わんさか大浦パークでは地元の特産品や農産物などが紹介、販売され、食堂も地元のおいしい料理が食べられ、そのどれもが低価格であるなど、ドライブで立ち寄るには最適な施設です。
この日も辺戸岬方面に行くライダーなどが立ち寄っているようでした。
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わんさか大浦パークには、大浦マングローブロードというマングローブ観察体験施設があります。
マングローブロードは大浦川河口付近にあるマングローブ林の中を通る全長726mの遊歩道で、マングローブやシオマネキ、トビハゼなどが棲息する湿地帯を遊歩道の上から観察できます。
なお大浦湾及び大浦川は「日本の重要湿地500」のひとつに選定されています。
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大浦川の水は大浦湾へと流れ込んでいます。
大浦湾は普天間飛行場移設問題で揺れる辺野古にも面しています。
この辺りは大浦湾の最奥部に当たるため、波が強くお世辞にもきれいな海とは言えません。
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ですが2012年、沖縄防衛局によって大浦湾東部辺野古沿岸の藻場が、ジュゴンの餌場となっていることが明らかになりました。
よって大浦湾はジュゴンが棲む海ですが、基地移設に伴う辺野古埋め立てで自然破壊が懸念されており、基地移設の反対運動も激しいようです。
ちなみに「スーパーメーゴーサー」とは琉神マブヤーの必殺技で、メーゴーサーとはうちなー口(沖縄方言)で「拳骨」の意らしい。
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そんな大浦湾を見下ろすように、にょきっと巨大な白い建物が緑濃い山の中から顔を出しているのが見えます。
一面緑色の山の中腹に突如現れる異質な建物に、この道路(国道331号)を通る人なら誰もが一瞬目をやるのではないでしょうか。
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この白い建物、よく見ると上の方が落書きだらけであり、建物全体の色もくすんでいて今は廃墟となっていることが遠くからでも判別できます。
この物件は1990代後半に閉業したというリゾートホテル、「レキオリゾート」の廃墟です。
バブル期に日本を席巻したリゾートホテルブームに乗って作られたホテルとのことで、ブームが去った後を持ちこたえることができなかったようです。
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レキオリゾートは山の中腹にあり、ここに行くには国道331号をわんさか大浦パークから辺野古方向へ少し進んだところにある脇道を曲がり、坂を登っていく必要があります。
周辺は鬱蒼とした暗い森があるだけで、近くに目印となるようなものは何もありません。
蜃気楼のように木々の上からぼんやりと顔を出している塔を目指して歩いていきます。
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途中、茂みに埋もれそうになっている「レキオリゾート」と書かれた看板がありました。
かつてはこの道を、旅行に浮かれた気分でホテルに向かう客が車で走行していったはずです。
一台通るのがやっとの狭い道ですが、運営当時はもっと広かったのでしょうか。
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坂を登っていくと、やがて左手の木々の向こうにレキオリゾートの姿が見えてきます。
ちなみに16世紀頃、大航海時代で沖縄(琉球)にやってきたヨーロッパ人は、琉球をヨーロッパ風に「レキオ」と呼んだという。
ここレキオリゾートの名前の由来も、そこからきているものと思います。
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まるで以前見た吉見百穴のように、黒々とした口を無数に空けているレキオリゾートの廃墟。
遠くからだとラブホテルのように見えましたが、こうして近づいてみるとどちらかと言うとホテルと言うより、マンションのような形をしているなと思いました。
私の感覚では、なんだか味気ない建物だなと思いましたが、当時はこういうスタイルのリゾートが流行だったのでしょうか。
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人通りはおろか、街灯ひとつないレキオリゾートへの道。
道路両側の藪は深く、ハブやマングースなどがいきなり飛び出てきてもおかしくはないので、夜間の散策はオススメしません。
しかし藪はまったく手入れされていないものの、道自体はわりときれいです。
今なおこの道は、道路として利用されていそうですが…
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やがて茂みの中から、かつて多くの観光客を迎えたであろうレキオリゾートの正面口が姿を現しました。
立ち入り禁止のフェンスは破られており、全体的に落書きだらけで荒廃した素敵な姿を晒しています。 
昭和のバブル期、リゾートホテルブームに乗って豪華すぎる設備を備えたリゾートホテルが乱立した時期がありました。
そうしたリゾートホテルの多くが、バブルがはじけて客足が低迷すると、その莫大な維持費によって自滅の道を辿ることになってしまったという。
日本中が沸いたというバブル景気の残骸が、今も沖縄の山中で、人知れず朽ちゆき最期の時を待っています。