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沖縄県国頭郡今帰仁村字古宇利、「恋の島」として知られる古宇利島を歩いてきました。
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今帰仁村に帰属する古宇利島は、沖縄本島から離れた離島ではありますが本島から車で行ける島です。
沖縄本島から屋我地島を経由し、古宇利島まで巨大な橋が架かっているからです。
屋我地島と古宇利島の間には、約2kmの巨大な古宇利大橋が架かっており、橋のたもとの海岸では島と橋と海が生み出す絶景を見に、多くの観光客が集まっていました。
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ここ古宇利島には、沖縄版アダムとイヴと言われる人類発祥伝説があります。
伝説の概要を簡単に説明すると、遥かな昔この島にいた一組の男女が、天から降ってくる餅を食べて生活していた。
しかし二人が将来への不安から餅を貯め込むようになると、途端に餅が降らなくなってしまい、 食べ物がなくなった二人は海に出て魚や貝を採るようになった。
二人は海で労働と生活の苦しみを知るとともに、ジュゴンの交尾を見て男女の違いと子作りを学び、 それが沖縄人誕生の始まりになったという話です。
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そんな伝説を活用して、古宇利島は恋の島、恋愛成就の島として絶賛売り出し中の観光名所です。
恋の島古宇利島の中でも、特にパワースポットとなっているのが古宇利島北端にあるティーヌ浜。
ティーヌ浜の入り口にはがっつり「パワスポ入口」と書かれた看板があり、ここがパワースポットであることを主張しまくっています。
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ティーヌ浜にはCMでも話題になったという、ハート型の岩「ハートロック」があります。
ティーヌ浜の海の中に二つの岩が顔を覗かせており、ある方向から見るとこの二つが重なってきれいなハートの形に見えるんだとか。
ハートロックがあるティーヌ浜はパワスポのみならず、かつて某アイドルグループが訪れたということもあって、多くの観光客が足を運ぶ観光名所となっています。
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しかし観光客は古宇利大橋付近とハートロックがあるティーヌ浜、古宇利オーシャンタワーにはたくさんいるものの、それ以外の場所は割と閑散としています。
古宇利島南部、古宇利大橋から徒歩五分の位置にある名所、このシラサ岬もそのひとつ。
訪問した際、付近に観光客はまったくいませんでした。
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ここシラサ岬は大きな岩が連なる岩場で、その形状からジュゴン岩などとも呼ばれる小さな岬です。
案内によると、シラサ岬は古宇利島の中でも神人(かみんちゅ)と呼ばれる神女が海神祭(うんじゃみ)の儀式を行う聖地であるという。
その海神祭というのは、調べたところ船漕ぎの所作のようで、神送りの儀式のとのこと。
古宇利島では毎年旧七月盆明けの最初の亥の日にこの儀式をするらしいです。
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シラサ岬の上には「天降世立口世ヌ火神」と刻まれた碑が建っています。
天から火の神が、地に降りた場所という意味らしいです。
沖縄でよく見かける「火神」とは太陽の神のことであり、天照大神のごとく最も大切にされる神様だという。
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シラサ岬には下に降りる階段があり、岬の下に広がるチグヌ浜に降りることができます。
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階段の途中には人間一人がやっと入れるくらいの穴が空いています。
ここはファーナシガマと呼ばれる半洞窟で、古宇利島の人類発祥伝説にある一組の男女が住んでいたとされる場所です。
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洞窟に住んでいた沖縄人の始祖は、 ここで天から降ってくる餅を拾って生活していたという。
当初はそれで満足していた二人ですが、いつしか知恵をつけ「餅が降らなくなったらどうしよう」と考えるようになり、餅を蓄えるようになりました。
すると突然、天から餅が降らなくなってしまい、二人は生活のためやむを得ず海岸に出て、貝や魚を採るという労働をする羽目になってしまいました。
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結果的に、餅を蓄えたことを発端として、餅が降らなくなったために沖縄人の始祖となった二人。
天の祝福を受けていた、いわば天使のような存在から、労働や生活、子育てをしなければならない人間へと変わらざるを得ませんでした。
天を信じて、餅を蓄えたりしなければ、二人はもう少しファーナシガマで引きこもり生活を続けていられたのでしょうか。
そんな、沖縄県南部の離島久高島と並び、人類発祥伝説があり「神の島」と呼ばれる古宇利島。
フェリーで行かなければならない久高島に比べ、車で行けるアクセスの良さがあるので、興味ある方は訪れてみてはいかがでしょうか。
(訪問月2016年10月)