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八丈島八丈町末吉にある天然記念物、ポットホール散策路を歩いてきました。DSCF2689
現在地は八丈島の中之郷地区にある観光名所、裏見ヶ滝です。
ここは「トリック劇場版2」のロケ地でもあり、ネットや雑誌では八丈島観光でここは見なきゃだめ的な感じで紹介されている観光名所です。
ガイドブックには滝の内側を通る通路から流れ落ちる滝の簾を見ることができ、大変珍しい景観と謡われていましたが、しかしなにぶん水量が少なくてインパクトが弱かったです。
時期によって水量が変わるのでしょうか。
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八丈島にきて思ったのは、食事処や観光名所などについて、ネットや雑誌などで紹介されている場所と自分がいいと思ったところは違ったということです。
特に食事処については、よく島民から話を聞いた方が良いところに行けます。
島民は不味いところには二度と行かないらしいので、島民が来ている店が当たりです。
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裏見ヶ滝が微妙だったので、八丈一周道路を末吉方向に移動して八丈町の天然記念物「ポットホール」に向かいました。
末吉の集落から登龍峠へ登っていく八丈一周道路の途中、左手にポットホールの看板があります。
ここから、こん沢林道という蛇行している狭い林道を通っていきます。
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車なら10分、徒歩なら30分という距離を進むと、やがて車止めにぶつかりました。
このあたりはちょうどこん沢林道の中間付近にあたります。
車止めの左手に小さなスペースがあり、何台か車を留められるようになっています。
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その駐車場の裏手に、沢へと下っていく山道があります。
ここがポットホール散策路の入り口です。
この山道、距離はたいしたことありませんが、滑りやすいので登山靴か最低でもスニーカーで行った方がよさそうです。
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ポットホールは八丈島観光協会のブログでは、「滞在に余裕があったら」とか「二回目の八丈島訪問の際には」行ってみてもいいんじゃないか的に紹介され、あまり観光スポットとしては自信がなさそうな感じです。
しかしネットや雑誌の情報だけではわからないこともあるので、あまり評価を気にせず行ってみたいと思います。
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山道を上り下りすると、やがてポットホール散策路に到着しました。
ポットホールは独特の景観をした天然記念物です。
山の上からこんこんと流れてくる水によって河床が削られ、そこに水の貯まる窪みが作られ、さらにそこから漏れ出した水によってまたその下に窪みが作られ、そのようにしてできた窪みが山の上からいくつもに渡って連なり、不思議な景観を作っています。
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ポットホールとはすなわち、特定の地質のところにのみ存在する甌穴群です。
特定の溶岩、水量、土地の傾斜、滝の存在といった諸要素の微妙な関係性の中で、このような甌穴群が形成されるという。
八丈島のポットホールは、この数が非常に多い(716個!)とのことで、平成26(2014)年にはギネスブック登録申請に向け動いています。
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しかしもっとたくさんのポットホールがある場所があったらしく、八丈島ポットホールのギネスブック登録計画は頓挫してしまったそうです。
これにより、島で一時期盛り上がっていた八丈島のポットホール熱は冷めてしまったと、後に島の人が語っていました。
そのためか、2014年5月に716個のポットホールが見つかってから3年以上が経つのに、ポットホール散策路は短く、そのほんの一部が見学できる程度です。
この白い橋桁より向こうは未整備で危険のため、散策路の外になっています。
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ギネスブック登録が無理とはいえ、貴重な観光資源なのでもっと整備した方がいいのではないでしょうか。
しかし島の人にポットホールに行ったことを話したら「なんでそんなマイナーな所に行くんだ」と不思議がられました。
やっぱりマイナーなのか…しかし、どこでもできるダイビングや釣りだけでなく、こういった八丈島らしい自然遺産も売りにしないと、八丈島観光は先細りになってしまうような気もしますね。
個人的には、たとえギネスブックに載らないものであったとしても、珍しい景観で良かったと思います。
(訪問月2017年8月)