DSC_0625
東京都北区西ヶ原、名探偵浅見光彦が住むといわれる街を息子とともに歩いてきました。
DSC_0633
現在地は東京メトロ南北線西ヶ原駅から本郷通りを西へ300mほど歩いたところにある神社、平塚神社前です。
平塚神社の参道脇には平塚亭つるおかという、昔ながらの和菓子屋があります。
この平塚亭つるおかは、今年3月に逝去された作家・内田康夫の推理小説浅見光彦シリーズの主人公、浅見光彦が作中で母雪江の機嫌をとるためにみたらし団子を買って帰る店として知られています。
DSC_0578
この名探偵浅見光彦は、作中にて北区西ヶ原三丁目に自宅があることになっています。
北区では浅見光彦の住民票も発行されていて、西ヶ原の霜降銀座商店街のパリーシューズで販売もされています。
また西ヶ原では毎年5月に「名探偵★浅見光彦の住む街 ミステリーウォーク」というオリエンテーリング形式のイベントも開催されています。
DSC_0630
平塚亭つるおかから平塚神社前交差点を東へ横断し、交差点から北へ蝉坂を20メートルほど歩いたところにたばこの自動販売機のある小さな路地があります。
入口に歩行者専用の道路規制標識があり、車は通れないところです。
この狭い道を入っていきます。
DSC_0620
この路地と本郷通りは平塚神社前を起点にVの形になるように通っています。
路地と本郷通りの間にはサンクタス旧古河庭園やアーデル旧古河庭園という大きなマンションが建っています。
これらのマンションは正面が本郷通り側ですが、駐輪場はこちら側にある造りになっていました。
DSC_0621
アーデル旧古河庭園を過ぎたところで、右手に古めかしい赤レンガ塀が見えてきました。
レンガ塀は途中でぶった切られたようになってしまっていますが、立派なものです。
はて、この唐突に現れた巨大なレンガ塀はなんでしょうか。
DSC_0623
長手を壁面に見せてジグザグに積む構造の、長手積みレンガ塀です。
レンガ塀は破損個所も多く古いもののようですが、いったいいつごろに造られたレンガ塀なのだろう。
レンガ塀には赤い現代的な通用扉も付いていますが、この通用扉周辺のレンガ塀だけは後から構築されたのか、比較的新しいものになっています。
DSC_0622
通用扉の向こう側は重松製作所という企業の駐車場になっています。
この会社は防塵・防毒マスクの製造会社のようで、創業は大正6(1917)年という由緒正しい会社のようです。
重松製作所が大正時代からここ西ヶ原にあったかはわかりませんが、このレンガ塀は大正時代からのものなのでしょうか。
DSC_0625
この赤レンガ塀、以前はアーデル旧古河庭園の方までずっと延びていたそうです。
おそらくマンション建設に伴い、駐輪場の関係で破壊されてしまったんでしょう。
しかしそうなると、もともとはかなり広大な範囲を囲う塀だったということになりそうですが…いったいこの場所には、どんな建物があったんですかね。
DSC_0656
加えて不思議なことに、レンガ塀の足下二段だけはレンガの色と積み方が変わっています。
この黒っぽいレンガは上のものよりさらに古い時代のもののようですが、なぜこのようになっているんでしょうか。
塀も下だけ少し出っ張っており、その上は後から積み直したような形になっています。
DSC_0624
またレンガ塀の東端には、大きな柱が建っています。
これは…門柱でしょうか?
かつてはここに門があったんですかね?
あったとしたら相当大きな門のようですが…
DSC_0626
謎を残したままレンガ塀から路地を更に東へ進んでいくと、滝野川会館の裏手に出ました。
滝野川会館の地下一階には、滝野川図書館があります。
図書館でレンガ塀について何か調べることができるでしょうか。
DSC_0628
滝野川図書館には北区の郷土資料を集めたコーナーがありました。
ちょっと調べてみましたが、やはりあのレンガ塀についてはよくわかりません。
滝野川図書館には内田康夫コーナーがありましたが、この問題は西ヶ原に住むという名探偵浅見光彦に依頼すれば何か分かるのかもしれませんね。
DSC_0629
滝野川図書館を出ると、本郷通りを挟んだ向かいには旧古河庭園があります。
旧古河庭園ではちょうど春バラの開花時期とあって、春のバラフェスティバルが開催されていました。
また今年は旧古河庭園完成100年らしく、今年のミステリーウォークもこの旧古河庭園を取り上げたものになっていました。
DSCF8278
旧古河庭園内には、古河財閥の三代目当主古河虎之助が本邸として建てた旧古河邸があります。
建築年は大正6(1917)年で、奇しくも先に出てきた重松製作所の創業年と同じです。
明治時代から西ヶ原一帯は、飛鳥山に居宅を築いた渋沢栄一を筆頭に多くの実業家や政治家が居宅を構え、特に本郷通り周辺は高級住宅地となっていたのです。
DSC_0601
旧古河庭園から再び本郷通りを挟んだ向かい側を見ると、更地になっているところがありました。
その更地の向こうに、住宅地に挟まれるようにして建っているレンガ塀が見えます。
…あれはなんでしょうか。
DSC_0600
それは大きさこそ違いましたが、さっきのレンガ塀と同じく長手積みで、だいぶ年数の経った赤レンガ塀でした。
奥に見える住宅とは雰囲気があまりマッチしておらず、このレンガ塀も昔からあるものと思料されます。
場所的に先ほどのレンガ塀に近いですが、二つのレンガ塀は何か関連があるのでしょうか。
DSC_0708
さらにそのレンガ塀の近くには、巨大な大谷石の石塀も見られました。
この石塀も周辺の住宅とはミスマッチで、劣化具合から相当の年数が経っているものと推測されます。
この大谷石の石塀もレンガ塀も、明治・大正時代に西ヶ原を彩っていた高級住宅の名残なのかもしれませんね。
(訪問月2018年5月)