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静岡県富士宮市にある神社、人穴浅間神社を子供たちとともに歩いてきました。
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2013年に「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一部として世界文化遺産に登録された人穴富士講遺跡。
富士講とは、戦国時代から江戸時代初期に富士山の溶岩洞穴・人穴で修業した長谷川角行を開祖とする富士山信仰です。
人穴浅間神社は、その境内に富士講の遺跡と溶岩洞穴・人穴がある神社です。
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さて、現在地はその人穴浅間神社の鳥居前です。
この人穴浅間神社鳥居には、鳥居を車でくぐると無事に帰れないなどという都市伝説があります。
都市伝説が本当かどうかは別にして、鳥居の横にはご丁寧に車が通れるスペースがありました。
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鳥居を入った正面突き当たりには、しめ縄のついた石碑がありました。
この石碑は「人穴浄土門の碑」で、碑の正面には人穴の由来が記されています。
長谷川角行は人穴で亡くなったとされ、この地は富士講講員にとって浄土への入り口と見なされています。
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人穴浄土門の碑から90度左を向くと、人穴浅間神社のある丘があります。
この場所は地理的には標高700メートルほどの富士山西麓にあたります。
丘の手前にある建物は人穴富士講遺跡案内所(土日祝日のみ開館)で、希望すればガイドさんが富士講遺跡を解説してくれるそうです。
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人穴浅間神社参道にあたるこの階段を上がった先に、人穴富士講遺跡があります。
緩やかな階段で、長そうに見えますが距離にして50メートルもありません。
富士山が世界文化遺産になって以来整備が進んでいるようで、きれいで登りやすくなっていました。
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階段を上がりきると両サイドに墓石のような石造物が並んでいます。
これらは碑塔群とまとめて呼ばれており、富士講の講員、関係者が建立したものです。
その数は230基あまりに及び、ちょっと不気味な様相を呈しています。
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正面には人穴浅間神社の社殿があります。
戦前までこの地にあった人穴浅間神社は、太平洋戦争中の昭和17(1942)年、陸軍少年戦車兵学校が近くの上井出に開校したことによってこの地区の山野が演習地となったことに伴い、上井出の芝山に移築されています。
戦後の昭和29(1954)年、人穴浅間神社はこの地に別の建物として復興され、現在の社殿は平成13(2001)年に新たに建立されたものです。
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社殿にむかって右手には、溶岩洞穴「人穴」があります。
富士講の開祖長谷川角行は、この穴で1000日に及ぶ修業の末に悟りを開き、後に洞内で入滅したという。
以後、人穴は富士講の人たちに霊地(浄土)として信仰されるようになりました。
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急な階段を下った先に見える人穴の洞口。
人穴は東日本大震災以降、崩落のおそれがあり立入禁止でしたが、この年の8月4日から人穴富士講遺跡案内所の開館日に予約すれば入れるようになるそうです。
観光用ではないため照明はなく、洞内は湿っていて足元が滑りやすい洞窟だったということですが、その辺りも整備されるのでしょうか。
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人穴の片隅には、複数のヘルメットや軍手が置かれていました。
ヘルメットの側面には「富士宮市」と記載があります。
人穴の一般公開にむけた整備のためのものと思われます。
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階段にはロープがかけられていますが、これを伝って降りているのでしょう。
人穴は総延長83.3メートルで、洞穴中央部がくの字に曲がった形になっているそうです。
洞穴内には碑塔三基と石仏四基が建立されており、聖地として独特の雰囲気があるという。
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人穴浅間神社の左手境内には、富士講の関係者によって建立された碑塔群が林立しています。
富士講が隆盛する18世紀中ごろから人穴は霊地として信仰されるようになり、18世紀末以降現在の東京都・埼玉県・千葉県を中心とする関東地方の富士講の人々によって碑塔が習慣的に造立されました。
これら碑塔は、富士講の開祖長谷川角行やその系譜をひく講祖、先達などの供養や顕彰、祈願などを目的として造立されたという。
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これらの碑塔は講社ごとにまとまって造立されているとのことで、刻銘などから各講の歴史や厚生地域を知ることができるそうです。
解説によれば、講名が明らかな50講社のうち、碑塔造立が1基だけの講が29社、2~5基造立の講が16社あり、村上講・丸嘉講・山三講・山吉講・丸宝講など、10基以上造立している講も見られるという。
150年以上前の碑もあり、風化して倒れる危険があるから触ったり近づかないようにという注意書きがなされています。
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人穴富士講遺跡の見学後戻ってくると、人穴富士講遺跡案内所前に人が集まっていました。
服装や装備品から、溶岩洞穴「人穴」の一般公開に向けた整備をしに来た方々と思われます。
平均年齢が高そうですが、暑い中大変と思われます。お疲れ様です。
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それを見ていると、いきなり息子が足をもつれさせて転倒し、額から盛大に流血してしまいました。
すぐに止血して治療しましたが、これはまさか、無事に帰れないという例の鳥居の都市伝説と関係が?
車でなく徒歩で鳥居をくぐったのに、でも怪我してしまいましたね。
(訪問月2018年7月)