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山梨県南都留郡富士河口湖町にある湖、西湖の湖畔を歩いてきました。
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富士五湖のひとつ、西湖。
「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産のひとつとして、2013年に世界文化遺産に登録されています。
また2010年には、絶滅したと思われていたクニマスが発見されたことでも話題になった湖です。
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現在地はそんな西湖の北西端にある根場浜です。
根場浜から樹海越しに富士山が見えるということでやってきたのですが、本日は残念ながら天気が悪くて見えませんでした。
また、浜では釣りをしている人を何人か見かけましたが、釣果は上がっていないようでした。
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富士山が湖面に映る「逆さ富士」も見られるという風光明媚な西湖ですが、一部では山梨県の心霊スポットなどとも言われています。
その理由は、昔から台風による水害が多かったことで、その最たるものが前回の西湖いやしの根場で紹介した足和田災害です。
土石流に流された集落の人々は、集落から1km離れていた西湖に流出して多くの人が亡くなり、まだその遺体が見つかっていない人もいるという。
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子供たちを連れて、根場浜の先端までやってきました。
生まれて初めて湖を見る我が家の子供たちは、浜で小さな石ころを見つけては「それぇ!」とか言いながら湖に投げています。
湖面には小さな波がたっているだけで、水遊びにはうってつけの根場浜ですが、この時は水遊びをしている子供はいませんでした。
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閑散とした根場浜から、湖北ビューラインの方まで戻ってきました。
西湖は観光客がよく使う国道からも離れていて、車通りが少なく静かなところです。
そんな根場浜近くの湖北ビューライン沿いに、いくつかの石碑が建っています。
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建っている石碑の中で一番大きく立派なものは「ああ西湖よ」と題された歌碑でした。
昭和41(1966)年に豪雨から発した土石流によって、足和田村にあった根場と西湖の二つの集落が壊滅した足和田災害。
おびただしい犠牲者を出した足和田災害から数年後、関係者によって慰霊の碑と歌碑、由緒碑がここ西湖半に建立されています。
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昭和47(1972)年に建立された由緒碑にはこんな内容が記されています。
昭和41年9月25日台風26号山津波により西湖根場部落の尊い犠牲者94名中
まだこの美しい湖に流出されたまま行方不明者13名のみたまを偲びて
哀悼の「ああ西湖よ」万感胸せまる想いで作詩し謹しみてその霊を永久に慰め
二度と現世に惨事ないよう村民並びに寄贈者諸氏の善意と協力を以て建立せり
人命尊重と平和を祈願する歌碑であります

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また、歌碑に刻まれた歌の歌詞は以下の通りです。
 ああ西湖よ
一、いつの日のも父と いつの日も母と
  暖かくながめた  みずうみ
  哀れ秋の日    平和は破れ
  ああ西湖よ    悲しい湖
  西湖 西湖よ   夕焼の空
  涙に映えて    父も母も今は亡き
二、いつの日のも兄と いつの日も姉と
  よろこびを包んだ 山々
  哀れ秋の日    はげしい嵐に
  ああ西湖よ    悲しい湖
  西湖 西湖よ   尊い生命
  湖底に深く    兄も姉も今は亡き
西湖畔で家族を失った人の慟哭の声が聞こえてくるような歌詞です。
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この西湖周辺には、足和田災害で流された行方不明者13人がいまだに眠っているという。
数多の命を飲み、人間を呑み込んだ西湖。
災害が多かったためなのか、西湖は富士五湖の中でもっとも観光地化されておらず、静かで落ち着いた、神秘的な湖となっています。
(訪問月2018年7月)