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静岡県静岡市清水区の博物館、東海大学海洋科学博物館を歩いてきました。
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水族館好きな子供たちを連れて、三保半島の先端に位置する東海大学海洋科学博物館にやってきました。
1970年開館の博物館らしく、施設は昭和の時代に見られたウォーターパークみたいな外観をしています。
東海大学海洋科学博物館はJR東海道線清水駅前からバスで約30分の位置にあり、アクセスがあまり良くないことに加え、平日の昼間なこともあって閑散としていました。
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博物館玄関ロビーのところにある「クマノミ・キッズ」内タッチプールでコブヒトデに触る子供たち。
東京の水族館でタッチプールがあったら順番待ちになりそうですが、ここは人が少なかったので思う存分コブヒトデを触っていました。
子供たちに触られたコブヒトデは何かを刺激されたのか、管足を使ってのそのそと水面まで上がってきて、子供たちと見つめ合っているような感じになっています。
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博物館の順路は「きらきら☆ラグーン」という女子ウケ・インスタ映えしそうな名前の、サンゴ礁周辺に棲む水生生物のコーナーから始まります。
写真は芸術的な姿を見せるクモヒトデの仲間「せのてづるもづる」です。
腕が無数に分裂して樹木のような形を作り出し、この触手で餌を絡めとり捕食するという。
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こちらは近年、サンゴを食べ尽くしてしまうことで問題になっている「オニヒトデ」。
最大の直径で60cm以上に達する大型のヒトデで、無数の棘はオニヒトデ粗毒という強力な毒を持っています。
棘に刺されると毒が注入されて激痛が走り、アナフィラキシーショックで死亡することもあるという。
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暖水性の中下層海域に生息し、群れになって「ゴンズイ玉」を作っている小型魚・ゴンズイ。
ゴンズイの胸びれと第一背びれにある強大な棘には毒腺があり、これに刺されると焼けつくように痛むという。
主に捕食者に対する防御用の毒で、ゴンズイの黄色と黒の派手な模様やゴンズイ玉も、外部に危険度をアピールしているものと考えられています。
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うっかりきらきらな毒もちの派手な水生生物ばかり写真を撮ってしまった「きらきら☆ラグーン」を過ぎると、博物館のメインと言える巨大海洋水槽が待っています。
約50種1000個体以上の魚を展示するこの海洋水槽は、全面ガラス張りの水槽としては日本最大であるという。
巨大水槽というと沖縄の美ら海水族館の黒潮の海を連想し、あそこは人が多すぎて展示生物が「ヒト」という感じでしたが、ここは人が少なくゆっくり見れてよかったです。
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海洋水槽がある大部屋の次は、駿河湾の生き物コーナーです。
写真は美しいヒレを羽ばたかせながら優雅に泳ぐ「ミノカサゴ」。
人目を惹く美しい外見とは裏腹に、頭棘や背びれ等各所に毒を持ち、気性も荒く人に向かってくることがある、まさに「綺麗な薔薇には棘がある」魚です。
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こちらは逆に周りの景色に擬態して発見しにくい近海底生性の小型肉食魚「オニオコゼ」。
背びれや尻びれ等に毒があり、砂に潜っているオニオコゼを不用意に踏んづけて刺されるケースが多いという。
しかし姿は醜いものの美味で、市場に出回る数も少ないことから、高級魚として取り扱われています。
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こちらはオーストラリア原産の毒グモ、セアカゴケグモ。
…おっと、これは毒持ちだけど水生生物ではありませんね。
平成30年8月、清水区三保地区内で生息が確認されたそうです。
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駿河湾の生き物コーナーの対面は日本一深い駿河湾の深海生物コーナーになっています。
写真はビワアンコウの標本で、巨大なビワアンコウのメスの横腹には、小さなビワアンコウのオスがくっついています。
メスを見つけたビワアンコウのオスはメスに噛みついてくっつくと、徐々にメスに同化して吸収されてしまい、最後は脳も心臓もなくなって、ただメスの意思で射精するだけの存在になってしまうそうです。
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博物館の2階はマリンサイエンスホールと機械仕掛けの魚「メカニマル」を展示するメクアリウムになっています。
魚やカニ、カメなど海の動物の動きを機械で再現したメカニマルは世界で唯一ここだけにしかいないそうです。
展示メカがちょっと古いように感じましたが、我が家の子供たちは楽しそうにメカニマルを操作していました。
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この施設には水族館によくみられる海獣等のショーはないものの、代わりにメカニマルのプール実演をやっています。
大学の運営ということで華やかさが少ないのは仕方がないことですが、それにしてはちょっと入館料が高めですかね。
総じて横須賀の観音崎自然博物館のような、昭和レトロで静かな海辺の水族館といった雰囲気でした。
(訪問月2020年2月)