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千葉県勝浦市鵜原にある、鵜原理想郷を歩いてきました。
鵜原理想郷は、太平洋の荒波に浸食されたリアス式海岸で、海岸の崖沿いにハイキングコースのある勝浦の景勝地です。
文豪三島由紀夫や与謝野晶子に愛された地として知られています。
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外房線上総興津の駅から、一駅電車で移動して鵜原駅で下車します。
鵜原駅は駅員さんが一人いるだけの、乗降客もあまりいない、少し寂しい駅です。
鵜原駅から南の方向へ歩いていき、最初のT字路を左折、大きなトンネルを2つくぐって、Y字路にでたところを右に行きます。
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Y字路を右に曲がると、緑に囲まれた直線道路に出ました。
物音ひとつ聞こえない、とても静かな道です。
道の向こうに、遥かな太平洋が見えます。
この道の側面が駐車場になっているようなので、車で来る方はここに停めて理想郷方面に徒歩で行くことになります。
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道の奥には分岐路があって、右の道が看板に見える鵜原館や鵜原理想郷に通じています。
左の道は漁港、勝馬港に繋がっているようです。
右の道を行きます。
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右の道は旅館「磯香の湯宿 鵜原館」へのアプローチになっていて、鵜原館に行くためには二つの素掘りのトンネルをくぐっていきます。
縞模様の地層が洞壁を彩るトンネルですが、幅はかなり狭く、車一台来ると避けるために壁にへばりつかなくてはならない。
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トンネルをぬけると右側に鵜原館があります。
本日はここに宿泊することになっていますが、まだ時間も早いため、先に旅館に荷物だけ置かせてもらって鵜原理想郷へと向かいます。
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鵜原館から先ほどのトンネルの道を真っ直ぐ進んで行くと鵜原理想郷ハイキングコースです。
鵜原理想郷の名は、大正時代末期に鵜原を別荘地として開発しようとした後藤杉久氏によってつけられたものです。
その後藤杉久氏の親族が、現在もこの鵜原館を経営していると聞いてびっくり。
現在も歴史が続いているんですね。
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鵜原理想郷ハイキングコースマップ。
一周2.3km、ハイキングコースとしては軽めで普通に歩くと所要40分くらい、のんびり歩いても一時間半といったところでしょう。
今回は右側の道を通り、ごとがえりから手弱女平、毛戸浦、白鳳岬、黄昏の丘といった景勝地を通るルートをとります。
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ハイキングコースを進んでいくと、まず素掘りのトンネルが現れます。
道はでこぼこして水が溜まっているなど足場があまり良くないトンネルです。
たまにごとがえりから舟を出す漁師らしき人が原付でここを通っていきます。
場所柄不法投棄があるのか、モニター監視を知らせる看板が手前にありました。
こんなところにあるとは思えませんが。
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トンネルを抜けると左側に入り江、ごとがえりがあります。
鵜原理想郷の名所のひとつなんですが、海岸に大量のゴミが流れ着いていたり、砂浜には鳥が死んでいたりとあまり理想っぽくない。
あまり天候がよくなかったこともあり、ちょっと暗い雰囲気でした。
入り江側面の岸壁は少し歩けるようになっているので行ってみます。
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ごとがえりの海岸の崖には太平洋の波によって削られてできた海蝕洞が多数見られます。
おお、これはなかなか美しい。
房総半島の地層は堆積岩で、砂岩と泥岩の互層になっています。
したがってとてももろく、それがために波に削られて急峻な崖や海蝕洞を形成しやすい土地になっています。
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ごとがえりから山道を登っていきます。
緩やかな坂道を登りきると、やがて南房総国定公園鵜原理想郷の看板が現れます。
この看板のある場所が最初の分岐点です。
看板の裏にある道を下っていくと、小さな桜の並木道があって、その奥に鵜原理想郷の名所のひとつ、手弱女平(たおやめだいら)があります。
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桜の並木道を抜けると、白い砂岩肌がむき出しになっているところに出ました。
かつてはこのあたりまで波が来ていたのでしょうか、ものすごく虫歯が進行したような歯みたいに、岩が削られてすかすかになっています。
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その白い岩の上には、与謝野晶子の歌碑があります。
鵜原理想郷は大正時代、別荘地として開発されようとしていましたが、結局開発はされず、代わりに日本有数の景勝地として与謝野晶子ら多くの文人墨客に愛されました。
与謝野晶子は鵜原理想郷を訪れた際、全76首に及ぶ歌を詠んだといいます。
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与謝野晶子の歌碑を過ぎると、手弱女平に着きます。
ちなみに手弱女とは、たおやかな女という意味です。
その名のとおり女性の肌のような白い砂岩が、砂浜のように丘の上に広がっていました。
頑張ればサンドスキーとかソリ滑りとかできそうですね。
こけたら痛そうですが。
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手弱女平から見える、ひとつやま。
手弱女平とは海で隔てられ、離れ小島になっています。
ひとつやまと手弱女平はもともとはくっついていたけれど、長い時間をかけた波の浸食により山が削られ二つに分かれてしまったそうです。
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手弱女平の奥には観光地としては定番の鐘があります。
特に説明がないのでご利益はよくわかりませんが、とりあえず相方と二人で鳴らしておきました。
まあ風が強いため、わざわざ手動で鳴らさなくてもカンカン鳴っていましたが。
あとで調べたところ「鐘付きデザインベンチ」というものらしく、座るところが本体で鐘がオマケらしい。
ベンチ部分ほとんどないじゃないか。
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その鐘付きデザインベンチの奥には絶景ポイントがあります。
太陽の光に照らされる太平洋が高台から一望でき、遠くにはかつうら海中公園の展望塔も見えます。
光を反射して輝く海が素晴らしい景観でした。
ただこの場所は風が強い上、また地質の関係上足下の土が崩れやすいとのこと。
おっかなびっくりで景色を楽しみました。
(訪問月2014年3月)