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熱海市を旅行した折、熱海の名城と名高い、熱海城を歩いてきました。
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自殺の名所で心霊スポットなどとされる熱海市の錦ヶ浦の上に建つ、熱海城。
熱海市街地から錦ヶ浦を眺めると、山の上にある威風堂々としたその姿が嫌でも目にとまります。
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熱海城が建つ錦ヶ浦山頂には、熱海後楽園ホテル前からアタミロープウェイで向かいます。
アタミロープウェイは山中まで所要時間三分、日本で一番短いロープウェイらしいです。
秘宝館つきのチケットと秘宝館なしのチケットがあり、秘宝館なしのチケットを買ったら受付の人に「秘宝館には入れませんがよろしいですか」と念を押されました。
そんなに行かせたいのか秘宝館。
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ロープウェイ山頂駅にはあいじょう(愛錠)岬という絵馬スポットがあります。
結婚という制度があるように、愛を永遠に持ち続けるのは難しいもの。
愛は暖かいうちに錠で固めておけよと、一時の繁栄を過ぎ廃墟が点在するようになった観光地熱海からのありがたいメッセージですね。
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アタミロープウェイ山頂駅の階段を上がっていくと、出口に同じく熱海のB級スポット秘宝館があります。
秘宝館には一度行ったことがあるので、今回はスルーします。
秘宝館は笑える人と、笑えない人がはっきり分かれる場所だと思います。
私はあまり笑えませんでした。
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アタミロープウェイ山頂駅を出て右に行くと熱海城に到着します。
遠くで見た時と違い、近くで見るとなんだかうさん臭い熱海城。
それもそのはずで、熱海城は昭和35年に築城された、まったく歴史のない観光用の城です。
首里城と違い復元ですらありません。
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受付で入城料を支払い中に入ると、いきなり正面に金の鯱がデーンとあります。
いかにも昭和、バブルのころの展示物といったどぎつい配色の鯱。
この金の鯱にまたがって、記念写真を撮ってもらえます。
いきなりのB級臭つよい展示物にワクワクで写真撮ってもらいました。
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熱海城一階は武家文化資料館になっています。
武士が着る鎧や、火縄銃や刀が展示されています。
金の鯱から一転して、真面目な展示物に「これらの武具は本物なのか?」と思わず疑ってしまいました。
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鎧や刀をじっくり見ていたら、突然なんの脈絡もなく巨大なスズメバチの巣が出てきました。
なんでいきなりハチの巣なんですかね。
こういう脈絡のなさがB級スポットたる由縁なのかもしれません。
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さらにダルマ落としまでありました。
あまり展示物のコンセプトとかは気にしないようです。
とりあえずやってみました。
頑張ったんですが、やってみるとあと一歩がなかなか難しい。
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熱海城の順路はまずエレベーターで最上階(六階)へ行き、そこから階段で一階一階降りてくるルートになっています。
最上階、パノラマ展望天守閣からは自称熱海随一の眺望が楽しめます。
遠くに見えるのは初島と大島でしょうか。
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地上43mから見下ろす大地。
さすがに高く、ちょっと足がすくみます。
下のトンネル近くには見事な廃墟が見えました。
伊豆観光本によると、あれはかつて熱海を代表していた珍スポット「妙智観音堂」の廃墟らしいです。
秘宝館といい、この辺り珍スポットが多いですね。
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熱海市街地の写真の展示パネル。
なるほど、熱海は東洋のナポリで100万ドルの夜景か・・・・・・ってあれ、さっき熱海は東洋のモナコって書いてあったような。
モナコもナポリも行ったことがないので比較のしようもありませんが。
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天守閣にはピンボール台もありました。
レトロですね~。
ワンプレイ30円とは今時良心的。
機体は古いけれど景品は新しいようです。
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天守閣から一階降りて、五階に来ました。
五階は江戸体験コーナーです。
江戸時代の衣装に着替えたり小物を使って記念撮影ができます。
若い女性の二人組が楽しそうに衣装を着て写真を撮っていました。
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四階は江戸時代の判じ絵コーナー。
判じ絵とは「目で見るなぞなぞ」であり、絵を見てその絵に隠された答えを探し出す問題です。
特定の6つの問題を解くと一階おみやげコーナーで記念品もらえます。
意外と問題が難しく、従業員の人にヒントをもらいながらなんとか解きました。
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三階はなぜかシャッターが閉じられており、はいれません。
スタッフの待機場所でしょうか。
四階から一気に二階に下ります。
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二階は日本城郭資料館です。
日本全国の城郭が展示パネルや模型で紹介されています。
こちらはマッチ棒でできた名古屋城。
約3万9千本のマッチ棒でできています。すごい職人芸ですね。
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熱海城の模型もありました。
昭和35年築城。歴史のないことへの自虐ネタでしょうか。
しかしこれを見ると実際にかつてこういう城があったのかなと錯覚してしまう。
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一階に戻ってきました。
一階の海側バルコニーにはジェット足湯があります。
こちらは前日に訪問した走り湯の足湯と違い、ぬるま湯の足湯でした。
タオルを持参していくといいと思います。
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熱海城には地下もあります。
地下一階には無料のゲームコーナーがあり、ここが熱海城で一番賑わっていました。
アーケードゲームも無料で、コンティニューし放題。
写真は正丸峠を攻める相方ですが、盛大に事故っていました。
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サイレントヒルアーケードもありました。
しかし無限にコンテニューできるかと思うと、あまりガンシューティングは燃えないですね。
さらには銃の照準が狂っていて、レッドピラミッドシングにやられました。
おのれジェイムスめ。
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一通りゲームを楽しみ、時間もなくなってきたのでここらで退城とします。
熱海城入り口脇にある階段を降りていくと熱海城の裏庭に当たる熱海城駐車場にでます。
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駐車場には鎖で閉鎖されている、地下へと続く階段がありました。
下に見える柱には「立入禁止」と書かれ、なにやら怖い雰囲気です。
かつて熱海城の真下には温泉施設があったというが、これがその入り口でしょうか。
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また駐車場側から熱海城隣接の熱海城トリックアート美術館の裏側を見ると、廃墟と化している施設が見えます。
正面側から見る熱海城と、駐車場側から見上げる熱海城では、表と裏のギャップがすごい。
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また駐車場の奥の隅には、人間大の大きさの石像が複数並んで立っています。
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これは人形師、浅野祥雲の手によるコンクリート製の12神将像です。
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駐車場の隅に、等間隔で並べられた12神将像。
浅野祥雲の像は熱海城前にいくつか展示されていますが、それらと違ってこちらは塗装も剥げており、駐車場の隅に追いやられるというぞんざいな扱いをうけています。
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隅に追いやられなんだか寂しそうな12神将像。
いかつい顔とのギャップがまた寂しい。
あれ、ところでこの12神将像、数えてみると11体しかありませんね。
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と思ったら一体、すごく場違いなのが間に挟まっていました。
まあこれを含めると12になりますね。
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歴史資料館、温泉、なぞなぞ、ゲームコーナー、美術館、隅っこの12神将像などいまいち展示物に統一感なくコンセプトのわからない熱海城。
多分きっと、昭和の時代にいろいろ迷い続けて、現在の形になったのでしょう。
そうだとするなら、充分に歴史があるといえる熱海城。
その歴史を見学に行ってはいかがでしょうか。
(訪問月2014年11月)