
群馬県北群馬群吉岡町にある、命と性ミュージアムを訪問してきました。
最寄りのバス停は群馬バスの発電所入口バス停です。
群馬舞茸センターや有名なおもちゃと人形自動車博物館からも近く、徒歩で行けます。

伊香保旅行の最後の目的地となった命と性ミュージアム。
遠くから見てもいかにもB級スポットといった外観です。
大丈夫でしょうか。

命と性ミュージアムの入り口には女神像があります。
この命と性ミュージアム、昔は伊香保女神館という名前だったそうです。
台座に女神館と書かれているし、その時代のものですかね。

駐車場には何か思案中っぽい裸の男像。
男根までくっきりと再現されています。
まるで風呂上がりにひと息ついているような堂々とした佇まいです。
車止め上の赤い靴はなんだろうか。

倉庫を改造したというこの命と性ミュージアム。
けして規模は大きくないですが、最長で四時間半滞在していた人がいたらしい。
「できるだけ長く滞在してほしい」をここまで全面に出すミュージアムも珍しいです。
管理者がこのミュージアムを楽しんで作っているんだな、ということが伝わってきます。

ミュージアムに入ると目の前に受付があって、館長さんと女性の従業員の方が出迎えてくれました。
バス旅ゆえ荷物をたくさん持って入ったのですが、館長さんたちは荷物を受付に置かせてくれ、「ゆっくり見ていってね!喉が渇いたら外に出て自販機でジュース買ってきていいから」と優しく声をかけてくれました。

一階展示室に入っていくとまず最初に目に付くのがこれ。
赤ちゃんが産まれるまさにその瞬間のオブジェ。
名前は「オギャー人形」、すごい名前だ。

股から覗く赤ちゃんの顔がなかなか面白い。
出てきてやったぜと言わんばかりのドヤ顔です。
まあ実際に出てくる赤ちゃんは泣きまくりなんですが。
うちの娘の時は「生まれてきちまったぜコンチクショウ!」と言わんばかりでした。

さわやかな表情の妊婦さんのオブジェ。
しかしたいていこのくらいのお腹の妊婦さんは大変そうで、あまり爽やかな顔をしていません。
赤ちゃんを見て、こんなにでかいのがお腹に入っているのかと改めて実感させられる。
みなさん、電車やバスなどでは優先席以外でも妊婦さんには席を譲りましょう。

こちらは成長していく胎児の模型です。
展示ケースの中には、お腹の中の赤ちゃんの顔や全身が月齢ごとに並んでいます。

月齢1ヶ月の赤ちゃんの顔。
お腹の中の赤ちゃんは最初、二つに分かれています。
それが時間をかけて、くっついて人間を形作っていくのです。
ちなみに中央にある二つの黒い楕円は、目ではなく鼻の穴です。

月齢2ヶ月の赤ちゃんの顔。
二つに分かれていた赤ちゃんの顔が、だんだんとくっついていくのがわかります。
しかしいまだ目は側面にあり、一見バルタン星人風です。

月齢3ヶ月の赤ちゃんの顔。
このころになると人間の顔らしくなってきますね。
この辺りでつわりがきたりして妊娠に気づく人が多いようです。

月齢4ヶ月の赤ちゃんの顔。
もう人間と変わりありません。
このころ、妊婦さんのお腹も膨らみはじめます。

命と性ミュージアムのほぼ真ん中あたりには、巨大な子宝女神像が立っています。

子宝女神像は、世の女性の安産を祈願して2002年に建立されました。

お腹を撫でると御利益があるかもしれません。
撫でられすぎたのか、お腹の辺りが若干茶色くなっています。
私も相方も御利益にあやかろうと優しく撫でておきました。

その子宝女神像ですが、東日本大震災で台座から位置が6センチずれています。
そのままですが大丈夫なんでしょうか。

子宝女神像の脇に控える黒の男根像。変なポーズをとっています。
この命と性ミュージアム、真面目なのかふざけているのかよくわからん…
いや、おもしろいんですけどね。
それにしても長いです。


パプちゃん。
パプワニューギニアの男性を模した人形のようですが、見た目ほとんどグールです。
もっともパプワニューギニアのある部族には食人の文化があったらしいですが。

命が生まれればいつか死も訪れます。
命と性ミュージアムでは入棺体験もできます。
棺の中に入って横になれますが、蓋を閉めると意外と怖いです。
この小部屋、入ったときのセンサーで部屋のライトがつきBGMが流れるのですが、時間が短く入棺していると不意に電気が消えBGMも止まる。
その時が一番怖い。

館内には多数の展示パネルがあります。
モテるには何をしたらいいのか。
その手段はいろいろあるようですが、迷惑行為を平気で出来る人はどうにもなりません。

太平洋戦争ネタの展示パネル。
性関係の展示パネルが多数を占める中唐突な展示パネルですが、命を軽視した当時の国策に怒りを感じている模様。
人命よりも御真影や兵器が優先されるような狂った国家では、敗北は必至だったといえよう。

沖縄戦のひめゆり学徒隊の悲劇。
糸数洞窟病院とは当ブログでも紹介しているアブチラガマであり、第三外科壕はひめゆりの塔がある場所である。
ひめゆり学徒隊にも解散命令は来ていたが、米軍に包囲された状況下で日本軍から離れ地下壕を出ることはほとんど死を意味していたという。
第三外科壕での犠牲も、壕を脱出しようとしたところで米軍の攻撃にさらされたものである。
いずれにしても、兵士や軍属、そして国民を消耗品としてしか見ていなかった当時の戦争指導部には憤りを感ぜざるを得ない。

乳児の子育てで注意したい事。
子供に我慢を教えることは、極めて大切なことですね。
しかし泣きまくる赤ちゃんに我慢を教えることは本当に大変です。

命と性ミュージアムには2階もあります。
電飾された2階への螺旋階段がとてもお洒落できれいです。
手前の男根がちょっとどぎつすぎますが。

2階はこれまでの真面目な(?)雰囲気とは一線を画し、快楽の空間になっています。
2階では靴を脱いでください、パンツは脱がないでください。
表示の通り、気分を害す方もいるので以下の記事は閲覧注意です。

階段をあがるといきなり目の前にこんな展示物が。

2階には通路と3つの部屋があるのですが、通路沿いにはこのようにラブドールが展示されています。
どの人形も腕や足が縛ってあったりしますが、それがプレイなのか固定なのか悩むところです。
よくわかりませんが、空間展示というものらしい。

一人遊びの最中だというラブドール。
写真では切れてしまっていますが、左下に謎のスイッチがあります。
スイッチを入れてみると……

2階の各小部屋はサロンになっていて、希望すれば有料で使用できるそうです。
この赤い部屋には、鞭とか拘束具とか回転椅子とかが置いてあります。
一体どんな人がこの部屋を使用に来るのだろう。

足や手を輪の中に入れ、横のチェーンを引っ張ると手や足が徐々に吊り上げられ、あられもない姿になるという代物。
しかし、身体が硬い人には羞恥心より開脚による苦痛の方が先に来ることがわかりました。

マグラーという初めて聞く名前のクッション。
説明は下写真の通り。

って、これ三万円もするんですか。
普通の座椅子で充分代用できそうですが。
相方は「腹筋運動にいいかも」といってドテンバタンとしてました。

これは隣の部屋にあったラブチェアーという代物。
使用方法は下写真にて。

またがったまま向かい合い、合体したまま睡眠や飲食ができるという。
なんか意味があるのかその行為。
これも六万円ですか。こういう遊びには資金がいるようです。

2階はまあ、そういった趣味をお持ちの方でないと楽しめないかもしれません。
私達的には、赤ちゃんメインの1階のほうがいろいろと勉強になってよかったです。
ちなみに私達の滞在時間は約2時間半。
4時間半には遠く及びませんでしたが、展示パネルをひとつひとつ読んでいくとそのくらい時間がかかります。

ちなみに赤ちゃんのオムツ替えスペースは1階のトイレにあります。

オムツ台は赤ちゃんの形にくり抜かれているという念の入れよう。
このミュージアム、普通に赤ちゃん連れ夫婦が来る予定で作られているのか…
いやまあ、現に来てるし助かりましたけどね。

あやちゃんのオムツを変え、帰り支度をしていると館長さんが声をかけてくれました。
「子育ては大変でしょ? 赤ちゃんはみんなで育てないとね!」
こういうミュージアムを作った方ですから、やはり赤ちゃんが好きな方なんでしょうか。
この後、なんと館長さんに車でバス停まで送ってもらいました。
小雨が降り出してきていたので、この心遣いはとても嬉しかったです。

しかもバス停で降車後、車に荷物を忘れてきたことに気づいたのですが、電話すると館長さんは猛ダッシュで戻ってきてくれました。
本当にあの時はご迷惑をおかけしました。
おかげさまで無事に予定通りバスに乗り、帰宅することができました。
この場を借りて再度お礼申し上げます。

また子宝女神像を撫でたご利益かはわかりませんが、このミュージアムを訪問後すぐに相方のお腹に第二子がいることが判明しました。
このミュージアム、子授けのパワースポットだったんですかね。
まだ生まれてくるかどうかはわかりませんが、近い将来、二人目の赤ちゃんを見せられるかもしれません。

赤ちゃん連れの伊香保旅行はこれにて終了です。
飲食店や旅館、展示施設などで赤ちゃん連れはいろいろ苦労することもありますが、周りの人が気を使ってくれるおかげでそれほど大変ではないということがわかりました。
そのことに感謝するとともに、今後はできるだけ迷惑をかけないよう工夫しながら赤ちゃん連れ旅行を続けたいと思います。
(訪問月2015年3月)
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