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大谷資料館を訪問した帰りに、資料館の近くにある大谷公園を訪問してきました。
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大谷公園は、大谷石採石場跡に造成された公園です。
大谷公園の南にある市営の広い駐車場(無料)に車を止め、ここから大谷公園まで歩いていきます。
駐車場から大谷公園までは徒歩五分くらいです。
おりしも、大谷公園は「大谷石夢あかり祭」の準備中だったようで、大谷街道にはのぼり旗が立っていました。
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大谷街道から大谷公園までの道の入り口です。
大谷石の里らしく、石畳の道ですね。
祭りで屋台店が出るのだろうか、テントが準備されていました。
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入り口にある公衆トイレです。
大谷町らしく公衆トイレも大谷石造りです。
公衆トイレには似つかわしくない豪華なトイレですね。
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入り口から大谷公園に向かって歩いていくと、左手に屋台店のテントの向こうに、大谷石造りの個人宅が見えました。
歴史を感じさせる立派な家です。
この辺りではこうした大谷石造りの個人宅をよく見かけます。
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そんな個人宅の向こうには、これまた長い年月の放置っぷりを感じさせる不気味な廃墟が、緑の中から顔を覗かせています。
大谷町の誇る名廃墟「山本園 大谷グランドセンター」です。
最近では石原さとみ主演の映画「貞子3D」のロケ地になっています。
有名な廃墟なので、物語の冒頭に出てくる写真を見てあっ、と思った方も少なくないはず。
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大谷公園までの道の右手には、何かの供養碑がありました。
表面に針供養碑と刻まれています。
フェンスがあって近づけませんが、採石場で事故にあった方々への供養碑でしょうか。
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さらに進むと、広場に出ました。
ここからが大谷公園でしょう。
祭りの準備のためでしょうか、数人が集まって何やら意見を交わしていました。
広場には多数の小石が、たくさん並べられています。
何に使うのかはわからないが、あかり祭というからにはこの石の中に明かりを灯すのでしょうか。
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顔をあげて見回すと、周囲には大谷公園の切り立った岩壁が見えます。
この公園は、かつて大谷石の採石場であり、不自然に垂直に切られた岩壁と、ところどころに採石場跡とみられる洞窟があります。
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その大谷公園の中心には、高さ30mはあろうかという巨大な観音様が立っています。
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これは平和観音という観音様で、太平洋戦争敗戦後の昭和23年9月、第二次世界大戦の戦没者の慰霊のために造られたものだという。
大谷石の採石場だった壁面に6年の歳月をかけて彫刻された磨崖仏で、その大きさは約27mになります。
昭和23年といえば戦後すぐのことで、あまり町に余裕はなかった時代と思われますが、それでも非命に散った人々のために、何かせずにはいられなかったのでしょうか。
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その平和観音のすぐ近くには、慰霊の塔があります。
大谷町では明治大正昭和にかけて、近代戦争で390余名が戦没しています。
平和観音が世界平和を祈念するものなのに対し、こちらは大谷町の戦没者を慰霊するもののようです。
あまり戦争とは関係無さそうな場所にある大谷町ですが、大谷地下軍需工場等、各所に戦争の爪痕が残されている町です。
興味ある方は一度訪問されてはいかがでしょうか。
(訪問月2015年8月)