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墨田区東向島にある博物館、東武博物館を子供たちと歩いてきました。
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東武伊勢崎線東向島駅のお隣に位置する、東武鉄道の博物館・東武博物館。
東武博物館は東武鉄道創立90周年を記念して、平成元(1989)年5月20日にオープンした博物館です。
館内には東武鉄道がその歴史の中で運用してきた電車やバスなどの実物車両が展示されています。
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博物館屋外に展示されているこの東武1720系デラックスロマンスカーもそのひとつ。
デラックスロマンスカーは昭和35(1960)年から平成3(1991)年までの三十余年間、日光・利根川方面への特急列車として運用された電車です。
乗り物好きな我が家の子供たちは、博物館に入る前から屋外展示の電車に大興奮です。
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入館料大人200円を払って、東武博物館館内に入ります。
訪問時は7月の夏休み直前期ということもあり館内は閑散としていて、お客さんはまだ小学生にならない暴れん坊な男児連れのお母さんがちらほらといったところ。
まだ遊び足りないのか、入り口には駄々をこねて大泣きしている男の子と、それに対して腕を引っ張りながら怒っているお母さんなどがいました。
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東武博物館に入館すると目の前には、大きな黒い蒸気機関車が展示されています。
この機関車はB1形5号蒸気機関車といって、明治31(1898)年に英国から東武鉄道が輸入した12両の蒸気機関車のうちの1車両。
この蒸気機関車によって明治32(1899)年東武鉄道の営業が開始され、東武鉄道の始まりといえる存在です。
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蒸気機関車の隣に展示されている茶色の車両は、大正期の電車デハ1形5号車。
こちらは東武鉄道初の電車で、大正ロマン漂う大正13(1924)年に新製された木造の電車です。
大正13年に電化されたという東武伊勢崎線浅草(現在のとうきょうスカイツリー)駅と西新井駅区間で運用されていました。
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こちらは中庭に展示の、まだ終戦からまもない昭和26(1951)年に造られた5700系5701号電車。
戦後最初に新造されたというこの車両は、敗戦からの復興を感じさせる現代的な車両になっていて、まだまだ現役で使えそうです。
正面の飾り金の形から「ネコひげ」の愛称で親しまれたという。
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さて、こちらは現代の交通システムの発展を体験できるシミュレータ「安全に走るシステム」のコーナー。
シミュレータを通して、ATS(Automatic Train Stoper、信号の色から電車の速度を自動的に調節するシステム)を体験できます。
我が家の子供たちは二人でひとつの座席に座り、マスター・コントローラーとブレーキレバーをガチャガチャさせてATSを作動させまくっていました。
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まだ電車の操作の仕方などまったくわかっていない子供たちですが、駅が来るとATSが作動して勝手に止まってくれるこのシミュレータには大喜びでした。
ほとんどお客さんがいなかったため、ほぼうちの子供たちが独占していた「安全に走るシステム」。
他にも電車のシミュレータがありましたが、やっていたのはこのシミュレータばかりで、鉄道模型とはいえ映像ではなく実際に電車が走る光景が子供たちのツボにはまったようです。
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「安全に走る」シミュレータの先に展示されていた、ED5010形ED5015号電気機関車。
製造は昭和34(1959)年3月で、東武東上線で貨物列車として活躍したのち、昭和59(1984)年9月に廃車、東上線の貨物輸送自体も昭和31(1986)年に終了しています。
ちなみに電車と機関車の違いですが、「機関車」が一台の車両で客車や貨車をけん引推進するのに対して、「電車」は各車両の床下に電気モーターを組み込み各車両が動力を持って動く構造になっています。
機関車のわかりやすい例がアニーやクララベルを引っ張る機関車トーマスですね。
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昭和26(1951)年製造のキャブオーバーバス。
キャブとは運転席の意味で、それまでの主流であったボンネットバスから客室部を前面いっぱいに伸ばし、運転席をエンジンの横に配置したバスです。
キャブオーバーバスは客室面積を多くとれることから戦後採用例が増えていきましたが、その後日本のバスはよりスペース効率の優れたリアエンジン型が主流となり、キャブオーバーバスは姿を消していきました。
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シミュレータコーナーには、珍しいバスのシミュレータなどもありました。
このシミュレータは運転席からテレビの画面を見ながら、「柏コース」や「川越コース」を選んで東武バスを運転します。
子供たちはまだペダルに足が届かないので、姉がアクセル・ブレーキ担当、弟がハンドル担当と分担してシミュレータにチャレンジしていました。
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運転が終わると点数が出るバスのシミュレーター。
めちゃくちゃなハンドル操作にもかかわらず、10000点満点中5631点という結果に。
かなり幼児に優しい判定のようです。
しかし10000点満点とは、ものすごくきめ細やかな点数設定ですね。
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明治・大正・昭和期の実物車両や交通の仕組みが体験できるシミュレーター等を楽しめる東武博物館。
入館料は大人200円4歳以上の子供100円ととてもリーズナブルで、子供連れで来るには最適なスポットです。
東向島駅は急行や準急が停まらずちょっとアクセスが微妙ですが、東京観光のひとつとしてもいかがでしょうか。
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館内には懐かしの記念メダル販売機なんかもあります。
もうこういうの、とっくになくなってしまったと思っていたけど…
まだまだ現役なんですね。
(訪問月2018年7月)