渋谷区猿楽町にある旧朝倉家住宅を歩いてきました。
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旧朝倉家住宅は、東急田園都市線代官山駅から代官山交番方向に徒歩3分の位置にある渋谷区の重要文化財です。
開館時間は冬期を除き午前10時から午後6時で、入館料は100円。
東京府議会議長や渋谷区議会議長を歴任した朝倉虎治郎によって大正6年に建築されました。
旧朝倉家住宅では、大正時代の和風木造住宅とその内部、回遊式庭園を見学できます。
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旧朝倉家住宅、宅地中央の1階居間から庭園を臨む。
大正時代の木造住宅の縁側に腰かけて、開放的な庭園をぼんやり眺めていると、ここが代官山駅前の一等地であることを忘れてしまいそうです。
旧朝倉家住宅の南には庭園以外にも、目切坂を挟んで目黒区管理用地となっている幅100メートルくらいの雑木林があります。
まさに代官山の秘境というべきか、代官山駅と中目黒駅の間にこんなところがあるとは。
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庭園側から居間のある住宅主体部を臨む。
旧朝倉家住宅は、戦後社団法人中央馬事会に売却され、その後農林水産省に譲渡されるなどしたのちに、昭和39年、内閣府の前身である
経済企画庁の渋谷会議所として利用されました。
居間のある1階住宅主体部は、その会議の際に会議場として使われたそうです。
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旧朝倉家住宅二階から庭園を見下ろす。
木々の間からはマンションが顔を出しており、やはりここが都心の真ん中であることを思い出させてくれます。
ちなみに旧朝倉家住宅は渋谷と目黒の境界に建っており、朝倉住宅の北側部分は渋谷区、南側部分は目黒区になっています。
見えるマンションは名前に代官山の名を冠してましたが、あれがある場所は上目黒ということになります。
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旧朝倉家住宅、回遊式庭園。
相方が蚊に刺されるというのであまり奥まで歩きませんでしたが、 傾斜地に作られた庭園です。
住宅がある場所より庭園の奥に行くほど、目切坂に向かって緩やかに傾斜しています。
コンクリートで埋め尽くされた代官山の中で木造建築と緑を残す旧朝倉家住宅は、区民の憩いの場にもなっています。
仕事の合間にでも、疲れを癒すためにふらっと寄ってみてはいかがでしょうか。
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帰り道の目切坂から、旧朝倉家住宅の隣にどでかい廃墟が見えました。
この廃墟、なんでもブルネイ王族がプール付き豪邸を建てようとしていたものだそうですが、資金源だった原油価格の低下と傾斜地における建設費用の高さで計画が頓挫したままだそうです。
ちょうどヒルサイドテラスやデンマーク大使館の裏手に当たる場所で、華やかな代官山旧山手通りとのギャップがすごい。 
(訪問日2013年8月24日)