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栃木県日光市の温泉街、鬼怒川温泉街を歩いてきました。
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春休み中の子供たちを連れて、鬼怒川温泉ロープウェイに乗って丸山山頂駅にやってきました。
丸山山頂には「おさるの山」という猿山があり、約30頭の猿が飼育されています。
正面の金網の回廊内に入場して、猿山から金網に近づいてくる猿を見学できます。
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丸山山頂駅では100円で猿の餌が売っており、寄ってくる猿に餌をあげられます。
猿の手は普通に金網を抜けてくるので、ちょっと離れた位置から棒を使って餌を渡します。
まるで刑務所の鉄格子に取りつき、その隙間から手を伸ばしてくるような迫力ある猿たちに子供たちもタジタジです。
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ビビってないでとっとと餌寄越せと、キーキー鳴いたり天井叩いたりしてアピールする猿たち。
猿の中にも力関係があり、小さかったり年老いた力の弱い猿はせっかく人間に餌を貰っても身体の大きな猿に横取りされてしまいます。
その姿に憤慨し、子供たちは一生懸命小さな猿に餌をあげようとしますが、なかなかうまくいきません。
「弱肉強食」これが自然の姿であり当たり前の姿なのだと、学んでほしいと思います。
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いろいろ工夫してなんとか小さい猿に餌を食べさせてやった後に、丸山山頂の展望台に上がりました。
眼下には今歩いてきたおさるの山と、その向こうに鬼怒川温泉の温泉街が広がっています。
一級河川である鬼怒川沿いに、大小の宿泊ホテルが建ち並んでいます。
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そのホテル群の中に、ボロボロでやばい感じのホテルが密集する一画があります。
この一画は鬼怒川温泉でも有名な廃ホテル群で、左から「元湯星のや」「きぬ川館本店」「鬼怒川第一ホテル」の廃墟です。
数としては三軒なのですが、ホテルは現役時代増改築を繰り返して複雑な形になっており、もっと多くのホテルが廃墟化しているように見えます。
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帰りは再び鬼怒川温泉ロープウェイで温泉山麓駅まで。
丸山山頂駅から温泉山麓駅まで、標高差300mを3分30秒で到着します。
ロープウェイに乗るのが初めての子供たちは、窓にかじりつくように外の景色を見ています。
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ぐんぐん近づいてくる鬼怒川温泉の温泉街。
先ほどの廃墟ホテル群は、ロープウェイの真正面にあたる位置にあるためどうしても目についてしまいますね。
このボロボロのホテルは「きぬが川館本店」のホテル跡で、なんと太平洋戦争中の昭和17(1942)年に開業した鬼怒川温泉でも歴史ある温泉ホテルだったという。
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ロープウェイを降りた後、温泉山麓駅から北東へ300mの位置にある、鬼怒川に架かる吊り橋「滝見橋」を歩いてきました。
滝見橋は鬼怒川温泉の他の吊り橋に比べて短い橋なのであっという間に渡り終えてしまいますが、手すりの鉄は錆びており、足元の木の板はだいぶ痛んでいるようで心許ない。
ドラマのロケでよく使われるという吊り橋ですが、実際のところこんなところで大事な話をする人間が果たしているのでしょうか。
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滝見橋からは、滝ではなくさっきの廃墟ホテル群がよく見渡せます。
鬼怒川渓谷の崖の上に、まるで防壁のように建ち並ぶ廃墟ホテル群はなんとも不気味な雰囲気を醸し出しており、美しい鬼怒川渓谷の眺望を異様なものにしてしまっています。
バブル期における過剰な設備投資と放漫経営の果てに閉業したというこれら廃墟ホテルは、高額な解体費用や所有者が行方不明などの理由によって取り壊されないまま10年以上も放置されているという。
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これら廃墟の鬼怒川渓谷を挟んだ向かい側には、同じように経営状況が悪化するも産業再生機構の支援を受けて盛り返した鬼怒川温泉の勝ち組温泉ホテル「あさやホテル」があります。
人間の世界も猿山の猿の世界と同じ、勝ち負けにシビアで、弱い者は淘汰されゆく弱肉強食の世界なんですよね。
おさるの山で子供たちがやったように、わざわざ落ち目の者に餌をくれる人は、この現実世界にはほとんどいないんですよね…。
子供達にはそれを理解して、日ごろから努力を積み重ね、自分を磨いていくことを忘れない人間になってほしいものです。
(訪問月2021年3月)