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東京都北区堀船一丁目の町中を歩いてきました。
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子供たちを連れ、北区堀船一丁目のホームセンター・コーナンPRO王子堀船店にやってきました。
以前にも触れていますが、家々が密集する堀船一丁目に突如現れる巨大なこの店舗は、株式会社リーブルテックの印刷工場跡地に近年できた複合商業施設です。
我が家からは徒歩圏とはいえけっこう離れた位置にあり、また跨線橋を渡ってこなければならないため心理的にも遠いのですが、近隣にはこういう大型店舗はなく二階、三階にはおもちゃが売られているので、子供たちがたまにここに行きたいと言い出します。
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リーブルテックの印刷工場は1936(昭和11)年に建設されたカマボコ型の工場で、ダイヤモンドトラスという当時の先進的な技法が使われていました。
ダイヤモンドトラスは昭和初期に日本で発明された工法で、無柱・無梁・斜交材で大空間を作ることができ、工場や格納庫なんかで利用されています。
コーナンの向かい側には、印刷工場の取り壊しと引き替えに建てられたリーブルテックのビルがあり、その玄関先には、工場取り壊しの際に排出されたダイヤモンドトラスの一部が展示されています。
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ダイヤモンドトラスの隣には、東京都北区指定有形文化財(建造物)の案内板も展示されていました。
指定された建造物がもうないのに、案内板だけあっても寂しいもんです。
北区のものと思われますが、こういうのは、その建造物を取り壊してしまっても返さなくていいんですね。
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コーナンPRO王子堀船店の前は、いつ行っても人で賑やかでやや人ごみに辟易するのですが、その周辺には古い、惹かれる建造物がいくつか見られます。
こちらは入り口が二つあり、いわゆる作業所付き住宅であったのだろうと思われる建物です。
外壁の色合いや錆びついた雨戸が、くぐりぬけてきた歳月を感じさせてかっこいい印象です。
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作業所側引き戸の窓ガラスには、「東邦電鍍工業」を書かれていました。
引き戸は経年劣化と重力に敗北して、もはや通常の手段では開けられなくなっているようであり、町工場としてはもう機能していないと思われます。
この辺りは、今は住宅地となっているものの、リーブルテックの巨大印刷工場があったことから、もともとは関連する工場が建ち並ぶ工業地帯であったのかもしれません。
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東邦電鍍工業の建物の先にも、やはり町工場らしい灰色斑模様の建物がありました。
この建物はセーフティコーンと安全バーが道路沿いに並べられてしまっていることから、やはり使われていないものと思われます。
モルタルが剥がれ中の鉄骨が剝き出しになっており、危険な感じなので、こっちは早めになんとかした方がいいかもしれませんね。
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こちらは「青木屋」という名前の、まだこんな駄菓子屋が存在していたのかと思えるような、全体的な外観から年季を感じさせる駄菓子屋さんです。
創業は1955年ころだそうですが、そこまで昔に遡らなくても、一昔前にはこういう駄菓子屋に子供たちがたむろしていました。
こうした駄菓子屋が姿を消してしまった最近は、そういう光景を見なくなりましたね。
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入ってみようかな…と、思いましたが、営業中なのかわからず、結局入ることができませんでした。
私も子供のころは、その頃まだ町中にたくさんあった、こういうトタン外壁の駄菓子屋に出入りしていた記憶があります。
懐かしさを感じさせる駄菓子屋で、ターミナル駅である王子駅から徒歩5分の位置にこういった建物があるとは、昭和の時代がまだまだ終わっていないことを感じさせてくれました。
(訪問月2022年10月)