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東京都八王子市高尾町に広がる大低山、高尾山を歩いてきました。
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昨今の登山ブームにより、もはや説明の必要もない有名な山である高尾山。
訪問した時は、ちょうど紅葉の美しい季節でした。
何度か登ったことがありますが、今回は高尾山に洞窟があるという話を聞きつけて、それを見に登ってみました。 
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高尾山にはいくつか登山ルートがありますが、今回は琵琶滝ルートと呼ばれる6号路を登っていきます。
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琵琶滝ルートの入り口近くにはこのように多数の石仏が安置されています。
ちょっと箱根と雰囲気が似ていますね。
そういえば高尾山は今でこそミシュランガイド三ツ星の超有名観光地ですが、昔は修験道の修行の場だったんですよね。 
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琵琶滝ルート入り口から約20分、琵琶滝ルート入り口と琵琶滝のちょうど中間くらいの位置に、岩屋大師と書かれた洞窟が二つ、妙音谷の沢の向こうにありました。
琵琶滝ルートから橋を渡って谷の向こうに行きます。
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右側の洞窟に弘法大師が祀られています。
この岩屋大師には伝説があり、昔、弘法大師が高尾山にやってきたところ、折からの雨が嵐に変わり、弘法大師は身体が冷えてしまうため山を下り始めました。
雨をしのぐこともできない岸壁ばかりの小道を歩いていたところ、途中に病気の母親と、それを介抱している子供の姿を発見します。
なんとかこの親子のために嵐をしのぐ場所がないかと弘法大師が合掌したところ、突然、目の前の岩壁が音を立てて崩れ、洞穴になり、そこで弘法大師と親子は嵐が通り過ぎるのを待ったという。

洞窟を作るよりも母親の病気を治してやればいいのにとも思いますが、弘法大師にとっては母親の病気を治すことより、洞窟を作ることの方が簡単なんですかね。
弘法大師の岩屋って各地にありますし、弘法大師イコール洞窟掘る人みたいなイメージがあります。
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岩屋大師からさらに進んでいくと、琵琶滝ルートの最初の目的地ともいえる琵琶滝が見える水行道場に到着しました。
写真右奥の小さい滝が琵琶滝らしく、この滝の音が琵琶の滝のように聞こえるから琵琶滝というらしい。
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水行道場にあった貼り紙。そういうものかもしれませんね。
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琵琶滝から高尾山頂上に向かって歩いていきます。
琵琶滝ルートは沢沿いの谷間を歩くルートで、比較的涼しいルートです。
訪問した時は秋の終わりで、若干寒いくらいで山に登っているにもかかわらず汗はほとんどかかなかった。
また正面の1号路に比べ、歩いている人はあまりいないので歩きやすいです。
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大山橋という橋を渡ると、道が沢の流れの中を登っていくこと道になり、沢の中におかれている飛び石の上を歩いていくことになります。
琵琶滝ルートは濡れた滑りやすい岩の上や水辺を歩かざるえない場所があるので、トレッキングシューズを履いていきましょう。
雨の日は増水して危険なので、別ルートをとった方がいいと思います。
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100メートルほど続く沢歩きが終わると、最後は丸太組みの階段が登場。
それほど段数が多いわけでもない階段だが、これまで山を登ってきた足にはけっこうきついです。
ここでもたついている人も結構いました。この階段を登りきると高尾山山頂です。
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どうにかこうにか、高尾山頂にたどり着きました。
琵琶滝ルートは所要1時間30分、約3,3kmの道のりです。
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紅葉が美しい高尾山頂。涼しくて休憩するにはちょうどいい場所です。
しかし山頂に来ることが本来の目的でないので見学もほどほどに山を下ります。
帰りは薬王院のある1号路を通って帰ります。
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高尾山頂から薬王院へと続く石階段。
1号路の道は高尾山の中腹にある薬王院への参道コースになっており、きちんと整備・舗装されていて普通の靴でも充分登ってくることができます。
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階段を下りていくと高尾山薬王院本社の裏手に到着します。
本社の前には高尾山の象徴ともいえる天狗の像が置かれていました。
特に目的ではないので薬王院の本社および本堂はスルーし参道の階段を降ります。
本堂近くにあった社務所で安産祈願のお守りを購入しました。
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本堂前の階段を下りると、右に薬王院大本坊へ行ける小道があります。
あまり人のいない、小さな道なので見逃しやすいようです。
この小道の先にある大本坊の奥には、福徳弁財天、通称穴弁天という洞窟があります。
こちらは弁天様を祀る洞窟で、前に行った穴澤天神社横穴厳窟と同じように、琵琶を持った弁天様が洞窟の前に鎮座していらっしゃいます。
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福徳弁財天・入り口。
入り口はかなり狭く、大人だと屈んで入っていくのがやっとの大きさです。
誰かが先に入っていたら、すれ違うのは無理だと思います。
中を確認したところ誰もいないようだったので入ってみます。
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福徳弁財天の洞窟は、地下水で湿っていました。
稲城の穴澤天神社の横穴厳窟江ノ島の江ノ島岩屋ほどではないが、やはり弁天様の洞窟は暗くて湿っているものらしい。
背負っているリュックサックを濡らさないように屈んで歩くのには骨が折れました。
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入って数メートルの位置に鎮座する、腕が八本の八臂弁財天像。
この弁天様は最近になって作られたもののようで、真新しいです。
この柵の向こうにも洞窟が続いていて、かつては40mもある洞窟だったそうですが、2004年の崩落で立ち入り禁止になってしまったそうです。
艶やかな弁天様に、この時はまだ生まれていなかったの安産を祈願しまして、この後高尾山を下山しました。
(訪問月2013‎年‎11‎月‎)